ひとくちに審美歯科と言ってもその種類は1つではありません。
代表的な種類である「ホワイトニング」以外にも、歯を美しく見せるための治療方法はいくつかあります。
ですが、どの治療でも得られるメリットとして共通するものがあります。
「他人からの印象がアップする」、「歯の健康を保つ」の2つです。
これらのメリットは、自分の人生を豊かにすることにもつながるものです。
目次
審美歯科の種類
まずは審美歯科の種類から見ていきます。
〇ホワイトニング
審美歯科の種類ではもっとも広く知られている治療法ではないでしょうか。
歯の表面の着色汚れやプラーク(歯垢)といった菌を、薬剤を使い除去し漂白することで、通常の歯の色よりも白く作り上げる方法です。
歯科医院で行うものをオフィスホワイトニング、自宅で行うものをホームホワイトニングと呼びます。
オフィスホワイトニングではまず、過酸化水素が主成分であるホワイトニング剤を歯に塗布しそこにLEDやハロゲン、プラズマといった光を当てることで熱を発生させます。
すると、唾液中の糖たんぱく質などからできるぺクリル層という薄い膜やプラークなどにより着色を無色透明に分解する作用が起こります。このメカニズムにより、白い歯が生み出されます。
〇ハイブリッドセラミック
セラミック(陶器)とレジン(プラスチック)でできた詰め物・被せ物を歯に取り付けることで、白い歯を作り出す治療法です。
両方を混ぜ合わせることによって、セラミックの「硬すぎる」というデメリットとレンジの「着色しやすい」というデメリットを軽減させることが可能となります。
色が自然歯に近いので見た目がいい、金属を使用しないので金属アレルギーがない、といった点も大きなメリットです。
虫歯やケガなどによって抜歯したり欠けたりした歯の補綴(ほてつ)としても広く使われています。
〇オールセラミック
ハイブリッドセラミック同様、金属を使用せずすべての素材がセラミックでできています。
レジンが使用されていないのでステインやプラークなどによる着色・変色がしにくい、光を透かす性質を持っているので自然歯の美しさに近い、といった特徴があるため継続的で自然な審美効果が期待できます。
ただ健康保険が適用されず自費での治療になることや、硬度が高くハイブリッドよりも割れやすい場合もあるといったデメリットもあります。
〇ラミネートべニア
オフィスホワイトニングのように薬剤を使用するのではなく、歯の表面を薄く削りその上に真っ白なセラミックの薄片を貼り付けることで、白い歯を作り出す方法です。
ホワイトニング目的以外にも、前歯と前歯のすき間をカバーする治療としても活用されています。
貼り付けるために使用される専用の接着剤の質も高まっているため、日常生活の中で剥がれたり割れたりするリスクが最小限に抑えられています。
また「歯を削る」と聞くと心配になる人も多いと思いますが、削るのは0.3~0.5mm程度のごく薄い表面部分だけです。
審美歯科の4つのメリット
1.歯の健康への意識が高まる
審美歯科によって白くきれいな歯が手に入ると、その白さを長く維持するために自宅でのケアに気を使い始める人がほとんどです。
見た目を気にして丁寧なブラッシング、デンタルフロスやマウスウォッシュなどを使用した口内ケアを続けることは、同時に衛生環境を守ることにもつながります。
具体的には、ピンク色で張りのある歯肉、口臭予防、プラーク増殖の予防といった環境を実現します。
2.自分に自信がつく
歯の色が黄ばんでいたりすき間が広かったりすることで、人前で思いきり歯を見せて笑えない、という人は男女ともに少なくありません。
審美歯科によって白く歯並びのいい歯を得ることで、そうしたコンプレックスを払しょくし自分の笑顔に自信を持つことができます。
「メラビアンの法則」というものをご存知でしょうか?
「人の印象は初めて会ったときの3~5秒で決まり、その情報の半分以上は『視覚情報』から得ている」という概念です。
初対面のときに自信のなさそうな暗い表情をしたり、笑うことを我慢しているような態度をしたりすると、相手から自分への第一印象はその時点で大幅に下がってしまう可能性があるのです。
営業や接客業に従事している人、就職活動に取り組んでいる人などにとっては、第一印象が特に大事だと言われます。
3.歯の機能を維持・向上させる
欠けている歯やすき間が広い歯の状態を放置してしまうと、次第に歯の機能も衰えていきます。
上下の歯のかみ合わせが正常に行われないことで咀嚼がうまくできず、歯に食べ物が詰まりやすくなったり、酷い場合には顎の骨や関節の正常な働きを妨げ、閉口障害や関節雑音といった顎関節症の症状を引き起こしたりします。
審美歯科によって自然歯がきれいに生えそろう健全な状態に回復させることで、これらのリスクを低減させることが可能となります。
4.虫歯や歯周病になりにくくなる
1と3にも関連するメリットですが、審美歯科によって自分の歯を健康に保とうとする意識が高まることや歯の機能を維持・向上させることは、虫歯や歯周病を予防することにもなります。
虫歯や歯周病の原因の1つは、プラークに含まれる虫歯菌や歯周病菌といった細菌の固まりです。
審美歯科治療でプラークやプラークが固まってできた歯石といった菌の温床を除去します。
こうした一時的なケアでも虫歯や歯周病予防には効果的なのですが、さらに治療後にもその取り組みを続けることで予防効果が長く続かせることができます。
また歯周病にかかる原因は精神的ストレスも大いに関係しています。
2で紹介したように、笑顔に自信を持つことでコンプレックスを解消させる審美歯科の効果は、ストレスを低減させ、歯周病を予防するメリットもあると言えるのです。
まとめ
ここで紹介した審美歯科の細かい治療方法は、歯科医院によって異なります。
また審美歯科の概念はもっと広くとらえられる場合もあり、PMTCと呼ばれる歯のクリーニングや歯肉を美しく見せる歯肉整形といった治療も、審美歯科治療として実施している歯科医院が多くあります。
希望の治療がある人や、自分にとってどの治療法がベストなのかわからないという人は、直接歯科医院を受診し相談してみるといいでしょう。