「咀嚼」が全身に与える好影響

はじめに

誰でも食事の際によく噛んで食べなさいと言われたことがあるでしょう。
しっかり噛んで食べる方が体によさそうですし、栄養がより吸収できそうに感じます。
なんとなくよく噛んで食べる方が体によさそうだとは思っていても、何回位噛めばいいのか、よく噛むことの効果って?どんなメリットがあるの・・と思われている方も多いでしょう。
きっとよく噛むことのメリットを知っていれば、今後よく噛んで食事できると思いますので、ここでは咀嚼が全身に与える好影響について具体的にお教えしたいと思います。

噛む回数の目安とは

よく噛んで食べなさい・・と言われても実際に何回位噛めばいいのでしょうか?
よく噛むための目安は1口につき30回と言われています。
回数を数えながら噛んでみると、30回以内で飲み込んでいることが多いでしょう。
現代の食事では柔らかく食べやすいものが増えています。
ですが、硬いものを無理に食べようとせず、噛みごたえのあるものを食事内容に取り入れて噛む回数を増やすことが重要です。

咀嚼の全身への好影響とは

・お口の中が健康になる

咀嚼と歯や歯ぐきの健康には大きな関係があると言われています。
小さなお子さんや高齢者の方は特に噛むことが大切だと言われますが、お口の中を健康でいるためには小さい時、年を取ってからということではなくずっと続けていくことが大切です。

・歯や歯ぐきの病気を防止

唾液の中には殺菌・抗菌効果や歯を強くする成分があるので、よく噛み唾液をたくさん出すことで虫歯や歯周病を防止できます。
さらに、咀嚼によって歯茎が刺激されるため血行が良くなる効果もあります。
咀嚼によって老化を抑制する唾液腺ホルモンが分泌されるため
歯や骨の発育が促されます。
また、歯を支えている骨の新陳代謝がよくなるので歯の健康を維持できるメリットがあります。

・病気を予防できる

また、咀嚼はお口の中だけでなく全身の健康を維持するのにも効果があります。
たとえば、がんや生活習慣病を予防できます。
発がん性物質が産出する活性酸素を軽減する効果のある成分が唾液中に多く含まれているので、噛む回数を増やして唾液を分泌させればがんを防止できます。
また、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病、動脈硬化なども防止できると言われています。
さらに、アレルギー性の疾患を防止することもできます。
食べものが消化されずに腸管にまで届いてしまうと抗原になってしまい、アレルギーを起こすことがあります。
なので、しっかりと咀嚼し唾液とよく混ぜて消化し抗体反応を抑制しましょう。
それに、よく噛めば腸内の状態がよくなるので食物アレルギー
や花粉症、アトピー性皮膚炎などを防止できるとも言われています。
免疫力アップ効果もあります。
よく噛むことによって副交感神経を刺激できるので、白血球の中のリンパ球を調整する副交感神経を優位にでき、リンパ球を増やせるため免疫力がアップします。

・美容効果

よく考えてみて下さい。
美しい女性に早食いの方が少ないと思いませんか?
美容効果を得るためにもしっかりと噛んで食べることが重要です。
よく噛むことによって味覚が刺激されるとノルアドレナリンという物質が分泌され、細胞の働きが促進されてエネルギーを放出しやすくなると言われています。
よく噛むことによって脳内ホルモンであるヒスタミンの分泌が促進されるので満腹中枢が刺激されます。
つまり、食事の量を制限するのが簡単になります。
また、交感神経が刺激され内蔵脂肪を分解する働きが促されます。
咀嚼によって味覚も発達するため薄い味付けでもおいしく感じるようになります。
その結果、濃い味付けで高カロリーの食事を制限できるメリットがあります。
また、よく噛むことで顔の筋肉の中でも口の周囲の筋肉が鍛えられるため、たるみやしわを防止でき若々しくなれます。
あごの筋肉が発達するため顔のラインがすっきりとなり、顔を小さくできる効果もあります。
歯並びをきれいにする効果もあるため、見た目のイメージがよくなるはずです。

・脳への効果

咀嚼回数が増えれば脳へ流れる血液の量が増えるため大脳が刺激されるそうです。
その結果、反射神経や判断力や記憶力、集中力がアップすると言われています。
ある研究結果によれば、ガムを噛む前より噛んだ後の方が記憶力がアップするというから驚きですね。

・その他の効果

他にも咀嚼とは関係ないように思うような効果もあると言われています。
人間はものを見る際に水晶体の厚みを変化させピントを合わせているそうです。
咀嚼筋も目の近くにあるので、咀嚼することで目の周りの血行がよくなって、水晶体の調節を行っている筋肉のコリをほぐせると言われています。
たとえば、仮性近視や一時的な眼精疲労からくる視力の低下、疲れ目などは噛むことによって症状が和らぐとも言われています。
また、姿勢がよくなる効果もあります。
咀嚼という動作はあごの周りの筋肉以外にも胸や首筋、背中などの筋肉も使う動作です。
つまり、よく噛めばそれらの筋肉を少しずつ鍛えられるので姿勢が正しくなります。
表情や言葉が豊かになる効果もあります。
咀嚼によって口の周りの筋肉が鍛えられることによって、表情が豊かになったり、発音が美しくなるとも言われています。

噛む回数を増やすには

・食事時間を長くする

現代では食事は短時間で食べて終わり・・で、ゆっくり食事できない方が多いです。
ライフスタイルも多様化しており、短時間で食事するのも仕方ないとも言えます。
ですが、できれば1日1回でもいいのでゆったりと食事をする時間を取って、落ち着いてよく噛んで食事するようにしましょう。
1回当たりの食事時間の平均は20分程度だそうです。
ですが、それ以上に時間を取って食事することで満腹中枢が働きます。
それによってダイエット効果もあるため、食べ過ぎるのを防止できます。

まとめ

もし、ここでご紹介した全身に与える好影響が理解できたなら、今日からよく噛んで食べることを心がけていただきたいです。
よく噛む・・たったこれだけのことを行うだけで全身の健康を維持できたり、美しくなったりできるのならやってみる価値があると思いませんか?
ぜひ、実践してみて下さいね!

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