審美歯科に対する欧米人の意識

「日本人はどうも歯が汚い、歯並びも良くない」

欧米人の多くがこのように「日本人の歯の汚さと歯並びの悪さ」について言及しています。

八重歯、タバコのヤニや汚れで黄ばんでいる歯、ギラギラ光る銀歯、これら「日本人ならではの歯並びや歯の汚さ」はもはや「歯が汚い＝日本人」という認識すら欧米諸国の間で生みつつあります。

そこで今回は、日本と海外では歯を美しく見せる「審美歯科についての意識の差」はどのような違いがあるのかについて、詳しくご説明をさせていただきます。

日本と欧米の審美歯科についての違いに着目する際に、まず最初に知っておきたいのは欧米では子供の内に歯並びを矯正する「小児矯正」が非常に盛んである、という点です。

欧米諸国では古くから「歯が白く歯並びが綺麗な人は、美人またはハンサム」という「絶対条件」が根付いている為であり、この事から欧米各国では子供の内から歯並びや歯の白さなどの「歯の美しさ（審美性）」にこだわる人がとても多いのです。

一方で、日本においては、肌の美容に気を遣う方は多くても、八重歯はそのまま、でこぼこした歯並びでも小児矯正はおろか大人になっても矯正治療を行わない人は多く、また歯が黄ばんでいたり汚れていてもそのままにしている人がほとんどです。

歯の見た目を気にする欧米諸国であれば間違いなく矯正治療の対象となる歯並びの悪さでも、そのまま放置している人も多い日本人ですが、歯磨きなどのブラッシングを始めとした「歯のケアに対する意識」についても、欧米では日本よりも「歯をきちんと綺麗にしておく事」という意識が高いのが特徴です。

日本では歯磨きの際に歯ブラシ以外のケア用品を使わない人も多いですが、デンタルフロスや歯間ブラシはもちろんの事、定期的に歯石を取るスケーリングや歯の状態をチェックして虫歯を予防する「予防歯科」に対する認識もはるかに欧米諸国の方が進んでいるという状況です。

残念ですが、これらの事柄は「先進国の中でももっとも歯が汚く、歯に対する意識が低い日本人」という不名誉な認識を欧米諸国の人達の間に定着させつつあります。

日本では歯の白さを気にする人と言えば、芸能人や一部のセレブなどの限られた人、というのが現状ですが、アメリカ人は特に「歯の白さ」を重要視する事でも有名です。

アメリカでは「歯の白さは清潔感につながる」として、とにかく「歯を白くする」事がその人の持つ外見的な魅力をアップする大切な要素の一つととなっているため、費用をかけて日常的にホワイトニングをおこなっている方が多いのです。

アメリカでは審美歯科に通ってホワイトニング治療を行う事は「自分をより美しく見せる方法」としては代表的な行動でもあります。

また、薬事法の違いによりアメリカでは市販の効果の強いホワイトニング剤が薬局で簡単に手に入る為、自宅で自分自身で強力なホワイトニング剤を使って歯を白くする人も少なくありません。

このように「歯が白い」事を大切にするアメリカ人にとって、歯が汚い日本人は「不潔なイメージ」を持たれる事もあるようです。

同じ東アジアのお隣の国である韓国では、日本よりも歯に対する美意識が高まってきている事が明らかになっています。

日本でも大人気のK-POPのアーティストの人達の歯並びを見ても、綺麗で「ピシッ」と揃っている美しく白い歯をしている人がとても多いですよね。

韓国は整形手術が盛んな国としても知られていますが、歯に対する意識も年々高まってきており、「顔だけではなく歯も美しく」と望む人も増えてきているようです。

子供の内から歯並びを矯正する小児矯正や、歯を白くする為に審美歯科や自宅行うホワイトニング、そして虫歯を未然に防ぐ為に定期的に歯医者に通う予防歯科、と欧米諸国では「歯に対する意識」が非常に高いです。

なぜ、欧米諸国では歯に対する意識が日本よりも高いのでしょうか？

それは、アメリカなどは日本と違い国民皆保険制度がない事も、歯に対しての意識が高くなる事に影響していると言われています。

誰でも保険さえ入っていれば非常に安い費用で治療を受ける事が出来る日本の歯医者における保険診療とは異なり、自分自身が選んだ民間の保険会社で費用をサポートしてもらうかもしくは自費で治療を受けるしかないアメリカでは、虫歯の治療をするだけでもかなりの治療費用が必要となります。

この為、「歯を悪くする前に、虫歯を未然に防ぐ」という予防歯科の意識が自然と高くなるのです。

また、スウェーデンなどの発達した国民皆保険制度がある国でも、歯の治療は保険で受ける事が出来るとは言え、「歯の美しさ＝その人の美しさや清潔感」という認識が非常に強い為、歯に対する意識が日本よりも強い人が多いです。

人の印象は歯の美しさで決まります

「日本と海外の審美歯科についての違い」についてお話をさせていただきました。

近年では海外からの観光客も急増し、「クールジャパン」と表現される日本独特の文化を取り上げる海外メディアも増えてきました。

しかし、いくら「クールな日本」と言われてもその国に住んでいる日本人の歯並びが悪かったり、歯が汚いようでは、外国人の方からは首をかしげられる事もあります。

人の印象は笑った時の笑顔、そして歯の美しさで決まります。

これからの時代に日本が本当に国際社会の仲間入りを果たす為には、今回ご紹介したホワイトニングや矯正治療またはセラミックなど、「見た目の審美性」を追及する審美歯科に対しての意識を日本人がもっと高めてゆく必要があるのかもしれませんね。