歯列矯正を受けたいけれど、なかなか決断できないという方の悩みとして、費用と期間の問題があります。
矯正は保険がきかない自由診療であるため、費用も高額になりがちです。
費用と期間のおよその目安を知っておきましょう。
目次
子どもの歯列矯正の場合
◎子どもは二期に分かれている
子どもの矯正は、永久歯の生え変わりに合わせて行われ、一期治療と二期治療とに分かれます。
両方行わなければならないというわけではなく、一期治療をしないで二期治療だけのケースもありますし、一期治療を行って二期治療をしない選択をすることもできます。
また、二期治療では上の歯だけ、下の歯だけという矯正を行うことも少なくありません。
【一期治療】
対象年齢:6歳〜小学校低学年ごろ
治療目的:まだ乳歯が多い頃に矯正をして、永久歯がきちんと生え揃うあごを作る(骨格矯正)
【二期治療】
対象年齢:小学校高学年ごろ
治療目的:増えてきた永久歯の歯並びを整える(歯列矯正)
永久歯の生え変わりに合わせて矯正する子どもの矯正には、次のようなメリットがあります。
・抜歯せずに矯正できることが多い
・永久歯がきれいに生え揃う
・健康なあごの成長を促すことができる
・歯が動きやすい時期なので、矯正による痛みが少ない
・後戻りが少ない
一期治療は歯並びというよりもあごの成長を促すための矯正で、あごがある程度成長し終えたときに行う二期治療が、いわゆる歯並びを整える矯正になります。
◎方法
一期治療…取り外しができる専用装置を使用して矯正します。
二期治療…大人の矯正と同じようにブラケットとワイヤーをつけて矯正を行います。
◎費用
一期治療…20~50万円程度
二期治療…30~60万円程度(上の歯だけ、下の歯だけの矯正はこの約半額になります)
一期治療と二期治療をともに行う場合と、どちらか一方だけ行うケースでは料金が異なります。
いずれも一ヶ月に一回程度の受診と調整が必要で、一回あたり1,000円〜5,000円程度かかります。
◎期間
一期治療…10ヵ月~1年半(個人差があります)
二期治療…1年~2年半(個人差があります)
治療期間がどの程度になるかは、初診や無料カウンセリングで、出っ歯や受け口などがないか、かみ合わせの悪さがどの程度か、抜歯の必要性があるかどうか等を隅々まで医師がチェックして決めていきます。
これは子どもの矯正も大人の矯正でも同じです。
大人の歯列矯正の場合
◎方法
大人の矯正では、一般的に行われているブラケットとワイヤーをつける矯正のほかに、特殊な矯正があります。
いずれの矯正方法を取るかで、かかる費用が異なります。
・表側矯正…歯の表側にブラケットとワイヤーを装着する
・裏側矯正…歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する
・ハーフリンガル矯正…上の歯は裏側矯正に、下の歯は表側矯正で行う
・マウスピース矯正(インビザライン)…マウスピースを使って矯正を行う
◎費用
矯正にかかる費用は、次のようなものです。
・初診カウンセリング料
・レントゲンなどの検査料
・矯正装置の制作、装着料
・ブラケットやワイヤーの調整料
・矯正完了後に装着するリテーナーの制作料、検診費
もっとも費用がかかるのが、装置の制作・装着料と装着後2〜6週間おきに受診して装置を調整する調整料です。
装置の制作・装着料は、いずれの方法で矯正を行うかによって異なり、特殊な矯正のほうが一般的な表側矯正よりも高くなります。
調整料は一回あたり1,000円〜5,000円程度です。
・表側矯正…80万〜100万円
・裏側矯正…100万〜150万円
・ハーフリンガル矯正…90~130万円程度
・マウスピース矯正(インビザライン)…60万~80万円
◎期間
約1〜3年程度(個人差があります)
歯列矯正の注意点
◎支払い方法を確認する
トータルで見ると高額な費用がかかるのが矯正です。
費用をどのように支払うかはクリニックごとに異なりますので、矯正を始める前にきちんと確認をしておきましょう。
最初に調整料なども含めた総額を提示し、矯正の最初と中頃の2回に分けて支払う医院もあれば、治療項目ごとに都度支払いをする医院もあります。
◎医療費控除の対象になる場合がある
審美目的ではなく医師が認めた治療の必要性があれば、医療費として控除が認められる場合があります。また子供の矯正は、基本的に控除の対象とされています。
これは、発育過程においての歯や顎の正しい成長を促す治療は必要であると考えられているからです。
大人の矯正の場合は、歯の機能に問題があるということが医師によって認められ、診断名がつけば医療控除の対象となることがほとんどです。他にも一定の条件を満たす必要があります。
◎特殊な矯正は経験豊富で信頼できるクリニックで行う
特殊な矯正には技術も必要ですし、費用も高額になります。経験が豊富で安心できる医院で受けるようにしましょう。
まずは電話で相談してみるのも良いかもしれません。
◎始める前にしっかりカウンセリングを受ける
終了予定期間が過ぎても思ったような矯正効果が出ない、当初の予定期間を大幅に超えてやっと終了したというケースもあります。
事前にカウンセリングなどできちんと治療計画を立て、納得してから始めるようにしましょう。
まとめ
子どもの矯正でも大人の矯正でも、歯列矯正にはメリットがたくさんありますが、一般の歯科治療よりも費用と期間がかかります。
費用や期間についてある程度の相場を知り、信頼できる歯科医に相談の上で、ご自身に1番治療方法を選択しましょう。