目次
はじめに
唾液には細菌や食べもののカスをきれいにする働きがあることは知られていますが、他にも歯や歯ぐき、全身の健康にも深く関わりがあります。
唾液は唾液腺というところから分泌されており、ここには顎下腺、耳下腺、舌下腺と言われる3つの腺があります。
なお、唾液の分泌量は1日当たり1~1.5リットル程度で、常にわれわれのお口の中を潤してくれています。
ここではそんな唾液の役割についてまとめてみました。
唾液の役割とは
味覚を感じる手助けをする
わたしたちは酸味、甘味、苦味、塩味、うまみ・・などの味覚を感じ取っていることで毎日食事を楽しむことができています。
それは唾液の中に食べものの中の味物質が溶け込んで、舌にある味蕾と言われるところで感じるためです。
ですが、唾液の量が減ってしまうと、味蕾がなくなってしまったり、味蕾が働きづらくなることがあり、味が感じにくくなります。
つまり、唾液がないと食べもの本来の味が分かりづらくなる・・という味覚障害になってしまうことがあるのです。
歯を再石灰化する
歯はカルシウム分が多いため、酸性に弱く酸性の状態が続いてしまうと歯の成分が溶け出してしまい虫歯になります。これを脱灰と言いますが、唾液によって再石灰化し初期虫歯であれば元に戻すことができます。
お口の中のpHを保つ
唾液の中のあるイオンの働きによりお口の中を中性に保とうとする働きがあり、食べたり飲んだりした後は特にお口の中が酸性に傾きますが、その時間が長ければ長いほど歯が溶け出し虫歯になりやすくなります。
ですが、唾液の緩衝作用によりお口の中を中性に戻すことができるため、虫歯になるのを防止してくれます。
つまり、酸性から中性に戻す力の弱い方は虫歯になりやすいということになりますね。
免疫力をアップする
体の中で口や鼻、目などは細菌などが外から入ってくるのを防ぐ働きがあり、これを生体防御機能いわゆる免疫力と言います。
唾液に含まれている成分には抗菌効果があり、これは唾液の他にリンパ腺や汗、涙、鼻の粘膜、腸管・・などにあって、さまざまな細菌から感染するのを防いでくれるため生きていくのに必要不可欠な成分です。
まだ、唾液の中に含まれるムチンという成分によって菌がお口の中から排出される効果があるほか、さまざまな殺菌効果があると言われています。
飲み込みやすくする
唾液には食べものを飲み込みやすくする効果もあります。
ものを食べる時は目で確認し、噛み、舌を使ってのどへと送り、さらに食道から胃へと送りますが、その際に唾液は重要な役割を果たします。
食べものがスムーズに胃へと流れるようにする役割があるのです。
消化を促進する
唾液の中にはでんぷん質を分解する酵素が含まれており、唾液と食べものが混ざるとその酵素の作用によって消化器官で食べものを消化しやすい状態にします。
お口の粘膜を保護する
お口の中には柔らかい粘膜と硬い歯が存在します。食べたり、会話してもお口の中が傷つかない理由は唾液によって常にお口の中が潤っているからです。
唾液の中に含まれるムチンという成分によって、お口の中の粘膜が常に潤されていると言われています。
たとえば、おせんべいなどの硬いものを食べると、お口の中に当たり痛いはずですが、このムチンによって痛みが起こらない・・というわけですね。
活性酸素を減少させる
唾液の中に含まれるペルオキシダーゼと言われる酵素によって、食べ物の中の発がん性物質により作られる活性酸素を分解してくれます。
老化を抑制する
唾液内のホルモンが骨や筋肉の発達を促す他に、白内障の進行を抑制する効果もあるそうです。また、唾液の中の成分によって老化防止効果や全身の健康維持に効果があるとも言われています。
唾液を多く出すためには
最近、唾液の分泌量が減ってしまうドライマウスという症状の方が増えています。
お口の中が乾いているな・・と思ったら、病院で診てもらうほか、セルフケアを行っていただき唾液の分泌を促進しましょう。
ここでは唾液の分泌を促す方法をご紹介します。
しっかり噛んで食べる
唾液は噛むことで刺激が脳に伝わって分泌されるため、日ごろからしっかり噛んで食べるようにしましょう。たとえば、硬く噛みごたえのあるものやガムを噛むなどすると効果があります。
水分を摂る
唾液の分泌を促進するには水分を積極的に摂ることが有効です。ただ、紅茶やコーヒー、緑茶などにはカフェインが含まれているため逆効果になります。
また、牛乳やジュースを飲むと、お口の中が酸性に傾くため口臭が起きたり、虫歯になったりします。
唾液の分泌を促すには水を飲むのが効果的で、タイミングは歯磨きを行った後や食事と食事の間、寝る前・・がベストだと言われています。1回当たりの量はコップ1杯程度でいいとされていて、それ以上でも構いませんが無理のない量にしておきましょう。
リラックスした生活を送る
毎日の生活をリラックスして送ることで、唾液の分泌が促されると言われています。
逆に、イライラしたり、緊張したり、精神的ストレスを抱えていると、交感神経が刺激されるためお口の中が乾いてしまったり、ねばねばしたりしてきます。
もし、心配ごとがあったり、腹が立つことがあったりすることがあれば、それがストレスになり唾液の分泌量が少なくなります。
そういった場合には軽い運動を行ったり、ゆっくりお風呂に浸かったりしてリラックスするように心がけましょう。
マッサージ
舌下腺や顎下腺をマッサージすることで唾液が分泌されやすくなります。
舌下腺をマッサージする方法としてはあごの尖った部分の内側にあるくぼみを両手の親指を揃えて当て、10回程度上下にゆっくりと押し上げましょう。
この時、のどを押さえないよう注意しましょう。
顎下腺へのマッサージはあごの骨の内側にある柔らかいところに親指を当てて、耳の下からあごの下まで数か所に分け順番に押していきましょう。
回数としてはそれぞれを5回程度ゆっくりと押すといいでしょう。
まとめ
愛され笑顔に磨きをかけるための唾液の役割や、唾液を分泌させる方法についてまとめてみました。ぜひ、できることから始めていただき、お口の中や全身を健康な状態に保ってくださいね!