ご自身の歯並びが乱れていると、歯並びの美しい人が羨ましく思えてしまうのではないでしょうか。

歯列の整った笑顔はとても魅力に溢れています。

しかし歯並びに自信がないと、せっかくの笑顔も曇りがちになってしまうでしょう。

また歯並びの乱れは噛み合わせの異常でもあり、矯正治療が必要なケースがあります。

では矯正が必要な歯並びの種類とはどういったものがあるのでしょうか。

 

矯正が必要な歯並び、噛み合わせの種類とは

ひとことで歯並びが悪いと言っても、様々な種類があります。

歯並びがガタガタ、出っ歯・・・など、歯並びに関して問題やコンプレックスを抱えている方は多いのではないでしょうか。

しかし矯正が必要なケースは歯並びだけではありません。

「噛み合わせの異常」は体の健康に重大な影響を与えてしまうことがあります。

歯並びの乱れは噛み合せの異常でもあります。

では矯正が必要な歯並びとは、どういったタイプのものがあるのでしょうか。

歯列矯正が必要な歯並び及び噛み合わせの種類についてご説明します。

 

「叢生」（乱食い歯）

デコボコした歯並び、八重歯、歯と歯が重なって生えているなど、いわゆる乱食い歯と言われているものを叢生（そうせい）と言います。

顎が小さく、永久歯が並ぶスペースが足らない場合や、顎の大きさに対して歯が大きいと叢生の原因になります。

デコボコの歯並びはブラッシングが不十分になり、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。

 

「上顎前突」（出っ歯）

上の前歯が前に突き出している、一般的に「出っ歯」と呼ばれるものです。

上顎が突出している、あるいは下顎が後退し、上顎が突き出ているように見える咬合異常です。

唇を閉じたときに前歯が見えてしまったり、唇が閉じにくいため口呼吸になりやすくなります。

口呼吸は口の中が乾き、口臭の原因だけでなく虫歯や歯周病にかかりやすくなるという悪影響があります。

幼少期に指しゃぶりを長く行っていた場合によくみられます。

 

「下顎前突」（反対咬合）

下の歯が上の歯よりも突き出ている、受け口と呼ばれる噛み合わせです。

一般的に、上の歯は下の歯よりも２～３ミリ出ていることが理想ですが、下の歯が出ていることは咬合異常ということになります。

そのままにしておくと成長期に下顎前方への成長を抑えるものがないために悪化し、どんどん下顎が出てしまう恐れがあります。

下顎前突と診断された場合、早急に歯科医院を受診する必要があります。

この歯並びになる原因として、幼少期の指しゃぶり、爪噛みなどの悪癖、遺伝的要素があります。

 

「開咬」（オープンバイト）

奥歯で噛んでも前歯が噛み合わず、隙間ができる噛み合わせです。

この噛み合わせによる影響として、前歯で食べ物を噛みきりにくい、発音が不明瞭などがあります。

こちらも幼少期の指しゃぶりが原因の他、離乳食期に正しい咀嚼ができなかったことも要因として挙げられます。

 

「空隙歯列弓」（すきっ歯）

歯と歯の間に隙間があり、一般的にすきっ歯と言われる歯並びです。

発音が不明瞭で、隙間から空気が漏れるような聞こえ方になります。

顎が大きく歯が小さい、歯の数が足りないなどの要因の他に、歯と歯ぐきを繋ぐ筋の異常も原因と言われています。

 

「交叉咬合」

歯の中心が左右どちらかにズレて噛み合わせに異常が起きる交叉咬合は、そのままにしておくと顔が歪んでしまう可能性があります。

できる限り早めに歯科医院へ受診することが望ましいでしょう。

特に頬杖は顎の歪みに大きく関わります。

頬杖のクセがある方は、日常から意識して頬杖をしないようにする心がけも必要です。

 

「過蓋咬合」

奥歯で噛んだとき、上の歯が下の歯を隠すくらい深い噛み合わせになる咬合異常です。

噛んだ時に下の歯がほとんど見えないこの噛み合せは、歯ぐきを傷つける恐れがあります。

奥歯の欠損が主な原因として挙げられます。

 

歯並びが悪いと、口の中や健康に様々な影響が出る

歯並びの乱れ、噛み合わせの異常はお口の中のトラブルに大きく関わります。

例えば、歯並びが悪いことで汚れが溜まりやすく、また落としにくいことから虫歯や歯周病になるリスクが高まる場合があります。

また噛み合わせの異常により食べ物を咀嚼しにくいことから、胃腸にも負担がかかりやすくなってしまうでしょう。

噛み合わせの種類によっては口呼吸になり、口臭の原因にもなります。

その他肩凝りや頭痛などの不快症状も噛み合わせの異常が原因の場合があります。

何よりも、乱れた歯並びや噛み合わせの異常により左右のバランスが崩れ、歪んだ顔つきになってしまうなど、コンプレックスを感じてしまうことで過度のストレスを抱えてしまうことは、精神的にも大きな悪影響を与えてしまうと考えられます。

患者さまの歯並びや噛み合わせに応じた歯列矯正を行うことで改善することが可能です。

ケースによっては、早急に受診が必要な場合もあります。

 

歯並びを整えることは、心身ともに健康な状態を導く

お子さまの歯並びについて気になる方はたくさんいらっしゃるでしょう。

しかしご自身はいかがですか？

矯正は若いうちだけ、もう年がいっているから・・・と歯並びや噛み合せについて悩みを持ちながら、最初の一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

確かに大人の歯列矯正は子どもに比べて時間も費用もかかる傾向にあります。

また矯正装置が見えることで躊躇している方もいらっしゃるでしょう。

しかし歯並びを綺麗に整えることで、気持ちも前向きになり、笑顔に自信を持つことができるのではないでしょうか。

笑顔は自分自身だけではなく、周りも明るい気持ちにさせてくれます。

また上記のように、歯並びの乱れや噛み合わせの異常により不快症状を感じていた方も、歯列矯正を行うことで改善が期待されます。

見た目で躊躇している方には目立たない矯正治療を選択することも可能です。

健康であることは何よりの宝です。

体の健康は口から始まるといっても過言ではありません。

正しい咀嚼を行うことで食事を美味しく味わうことが出来ること、またそれにより体の健康が造られます。

このように、乱れた歯並びを美しくすることは、心身の健康に大きく影響します。

お子さまの将来の歯並びはもちろん、ご自身の日常生活を健康なものにするためにも、歯並びが気になる方、矯正治療をお考えの方は歯科医院へ相談することをお勧めします。