インプラントの種類とそれぞれの治療方法について

 

失った歯の機能回復手段のひとつであるインプラントは、入れ歯やブリッジに比べ、機能面や審美面において優れた効果が期待できます。

ではこのインプラント治療ですが、どのような治療を行っていくのでしょうか。

インプラントの種類と併せてご説明します。

 

じっくりとカウンセリングを行う

失った歯の回復手段としてインプラントを選択した場合、まずはカウンセリングを行います。

インプラントについて、メリットだけでなく手術に伴うリスクやデメリットなどを含めた説明を歯科医師から行われ、納得することからスタートします。

入れ歯やブリッジはすぐに治療を開始しますが、インプラントは長期スパンを要するため、しっかりとした信頼関係を築くことから始めます。

少しの不安や疑問を抱えたまま手術を行うと、満足のいく結果を得られないことがあります。

そうならないためにもこのカウンセリングは非常に重要となるのです。

インプラント治療の成功は、歯科医師をはじめとした歯科医院との信頼関係を築くことから始まります。

疑問や不安を残さず、全てを任せることでインプラント治療の成功が成り立つと言えます。

そのためにも納得いくまでカウンセリングをします。

また持病の有無なども話し合い、万全の体制でインプラント治療を行えるように準備します。

 

口の中の精査を行い、術前検査を行う

インプラント治療を行うことが決定したのち、担当医が患者さまの口の中の状態を診察して顎の骨の状態や虫歯、歯周病など治療箇所の有無を確認します。

また費用面や通院期間、治療後のメンテナンスの必要性などを説明し、術前検査にとりかかります。

術前検査はレントゲン撮影、CT撮影を行います。

特にCT撮影は、骨の量やインプラントを挿入する長さ、角度などを精密に判断するため必要となります。

また必要に応じて血液検査も行い、内科に関して疾患がないかどうか把握しておきます。

 

インプラント治療前に、必要な治療を行う

インプラント治療を行う前に、虫歯や歯周病がある場合は治療を行います。

特に歯周病は、インプラント手術のあとインプラント周囲炎となる歯周病菌が入り込む可能性があります。

細菌感染を防ぐためにも歯周病治療を行っておく必要があります。

 

1回法と2回法について

インプラント治療の種類には1回法と2回法という術式があります。

1回法とは、インプラント本体、そしてインプラント体と人工歯を繋ぐアバットメントという部品を一度の手術で取り付ける方法です。

またインプラントの種類の中には、インプラント本体とアバットメントがひとつになった一体型というものがあります。

麻酔を打ち、歯ぐきを切開してから専用器具を使って顎の骨に穴を開けて、インプラントを挿入します。

その後3~6ヶ月ほど間をあけて、顎の骨とインプラントが結合するのを待ちます。

その後インプラントと顎の骨がしっかりと結合したことを確認して人工歯を装着します。

またこの期間中、必要に応じて仮歯を取り付けることも可能です。

この1回法の特徴は、歯ぐきの切開が一度で済むため、患者様にかかる負担が少なくて済むことです。

 

2回法は、切開した歯ぐきにインプラントを埋めたあと、糸で縫合していったん歯ぐきを閉じます。

そのまま3~6ヶ月ほどの期間をおき、インプラントと骨の結合を待ちます。

その後再び歯ぐきを切開してアバットメントを取り付けて傷口の回復を待ちます。

この期間に約1ヶ月を要しますが、歯ぐきの傷の回復が認められたら人工歯を装着します。

この2回法は骨移植が必要な場合などに適用されることが多く、また感染のリスクもほとんどありません。

このためあらゆるケースに適応されます。

ただし1回法と比較すると歯ぐきの切開が2回必要なため、患者様にかかる負担は大きくなってしまいます。

このことにより人工歯を装着するまでに時間を要することがデメリットと言えるでしょう。

インプラント手術後、固定期間を経て人工歯の型取りを行います。

周りの歯の色に合わせた自然な色調でつくられるため、人工歯を装着したときにとても馴染みが良いでしょう。

素材もセラミックやジルコニアなど、審美面が考慮されたものを選ぶことができます。

 

インプラント手術後の注意

インプラント手術終了後はまだ麻酔が効いており、痺れたような感覚が残っています。

また麻酔後は感覚が鈍っているため、舌や内頬を噛んだりしやすくなっています。

またやけどの危険性があるため、麻酔が切れるまでは熱いものを召し上がらないようにして下さい。

手術後は激しい運動、長風呂、飲酒、喫煙を控えるようにして下さい。

特に喫煙は、傷口の治りを遅くするため、1週間ほどは禁煙が必要です。

また痛み止めも処方されます。

場合により、インプラント手術後に痛み止めを飲むこともあります。

また感染防止のために抗生物質が処方された場合は必ず飲みきるようにしてください。

うがいもあまり行いすぎると、かえって傷口の治りを遅くしてしまいます。

口腔内の衛生を保つために必要ですが、あまりガラガラと何度もうがいをしすぎないようにして下さい。

 

噛み合わせのチェックおよび定期的なメンテナンスを行う

人工歯を装着した後は噛み合わせのチェックが行われます。噛み合わせに違和感を感じないよう、細かく調整を行い、快適に使うことが出来るようにします。

また術後のメンテナンスが大変重要です。

定期的にメンテナンスを行い、インプラントに不具合がないか、インプラント周囲炎の兆候はないかなどを確認しながら、歯科衛生士がお口の中を綺麗な状態に仕上げます。

このメンテナンスをきちんと行うことで、インプラントの寿命が決まると言っても過言ではありません。

 

ソケットリフトおよびサイナスリフトについて

インプラント治療を行うために必要な処置を行うことがあります。

それがソケットリフト、サイナスリフトと呼ばれる治療です。

 

サイナスリフト

上顎において、歯が抜けてから時間が経ってしまった、あるいは歯周病の悪化で骨の吸収が進んで極端に骨が薄くなってしまった場合、上顎洞と呼ばれる部位に骨を足す処置をサイナスリフトと言います。

骨の厚みが足らないと、インプラントが抜け落ちてしまうことがあるため、サイナスリフトを行って骨に厚みを持たせてからインプラント手術を行います。

 

ソケットリフト

ソケットリフトは、同じ上顎洞において骨の厚みが少し足らない場合に行う、骨形成の手術です。

ソケットリフトの手術にあわせてインプラントを埋めるため、治療期間は約4ヶ月程度で済みます。

 

まとめ

インプラントは他の歯に大きな影響を与えない優れた治療法です。

インプラント治療方法をしっかりと理解して万全の体制で臨むようにして下さい。

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