はじめに
ジルコニアとは人工ダイヤモンドとして名前を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
身近に使われているものと言うと、セラミック製の白い包丁などがあります。
ジルコニアの特性としては強度に優れていることが挙げられます。
これまでの歯科治療ではセラミックや金属が使われることがほとんどでしたが、金属を使うと成分がお口の中に溶け出してしまい、歯ぐきが黒ずんたりするリスクがありました。
また、セラミックだと強度が劣るためしっかりと噛み合わせるのが難しいです。
ですが、ジルコニアなら強度に優れ透明感があり白いので目立ちにくいメリットがあります。
ここでは銀歯ではなくジルコニアをおすすめする理由についてまとめてみます。
審美性の高い機能性に優れた素材で治療したいと思っている方は、ぜひジルコニアがおすすめの理由について知ってくださいね!
ジルコニアとは
そもそもジルコニアとは人工ダイヤモンドとして知られている素材で、美しく軽く生体親和性の高い素材です。
原子番号は40番で元素ジルコニウムと酸素が結合した化合物です。
見た目は透明感のある白い色をしており、無機物を焼いて固めた結合物であるセラミックの中の1つです。
セラミック製の白い包丁もジルコニアでできていますし、医療分野では人工関節の代わりに使われるなど、生体親和性が高いことでも知られています。
最近では歯科医療用の材料としてレジン樹脂やメタルボンドなどが使われていますが、金属アレルギーの心配のないセラミックを使った治療が広く行われるようになりました。
セラミックに要求されるものとして強度、審美性、人体への親和性・・などが挙げられます。
その点、ジルコニアなら強度や耐久性、耐熱性、耐食性などが素晴らしく、審美性も高く生体親和性にも優れているため銀歯などに代わって使われるようになりました。
つまり、ジルコニアの登場によって今歯科医療が大きく変化を遂げようとしていると言っていいでしょう。
2005年に日本で初めて歯科用ジルコニアが認可され、現在世界中で500万本以上も使われており、信頼性、安全性、実績全てが揃ったジルコニアを使うことで多くの人に笑顔が戻っています。
ジルコニアがおすすめの理由
では、具体的にジルコニアが銀歯よりおすすめの理由にはどういったものがあるのでしょうか?
・透明感があり目立ちにくい
被せものに銀などの金属を使用すると、天然の白い歯との違いがすぐに分かってしまっていました。
奥歯であっても、口を大きく開けて笑った時など目立つのがデメリットでした。
そのため、見た目が気になり思いっきり笑えないという人も多かったです。
ですが、ジルコニアなら白く透明な素材なので、他の天然の歯とのなじみもよく見た目に違和感がありません。
それに、天然の歯のような質感を回復できるのがメリットです。
・幅広い治療に使える
ジルコニアは幅広い治療に使えるのもメリットです。
かなりの強度があるので、インレーやクラウン、ブリッジや土台、インプラントなどに使えることがメリットです。
・強度に優れている
これまで使われていたセラミックだと強度があまりよくないため、噛み合わせた際にもっとも力がかかる奥歯に使用すると、欠けたり割れたりするリスクが高かったです。
ですが、ジルコニアなら強度に優れているため安心です。
・変色しづらい
お口の中は常に過酷な状態にあります。
たとえば、熱いものや冷たいもの、アルカリ性や酸性の飲食物・・など、刺激にさらされている状態です。
このことは歯をインプラントや人工の詰めものや被せものに変えたところで全く同じ条件です。
これまで使われていたセラミックの中には経年劣化するものがあったり、つやが他の天然の歯と違って見えるものがあったのですが、ジルコニアは劣化しづらく過酷な環境下でも機能が低下しづらいのがメリットです。
・安全性が高い
みなさんもよく知っておられる通り、金属を使った治療を行うと金属アレルギーを起こすことがあります。
ですが、ジルコニアは金属イオンが溶けだす心配がほとんどないので、安心して使用することができます。
ジルコニアはこれまでも医療分野で人工関節などで実績があるため、さまざまな試験にクリアしていることが分かっています。
つまり、ジルコニアは非常に安全性の高い素材であると言っていいでしょう。
・保証が付いていることが多い
ジルコニアで治療するには保険が使えませんが、ほとんどのクリニックではある一定の期間内であればトラブルに対し保証を設けていることが多いです。
トラブルがあっても保証がついていれば安心できますね。
ただ、保証内容や期間についてはそれぞれのクリニックで違っているため、前もって確認しておきましょう。
ジルコニアを使った治療とは
・前歯のジルコニアブリッジ
この治療法はジルコニアの土台の上に透明感に優れたセラミックを使うことで非常に審美性の高いセラミックに仕上げることができます。
・ジルコニアブリッジ
この治療は金属を使わずジルコニアだけでブリッジ治療を行うもので、金属アレルギーの心配もなく、歯ぐきが黒ずんだりしません。
・ジルコニアアバットメント
インプラント治療を前歯に行う場合、歯ぐきが黒ずまないようジルコニアを使って土台を作ります。
そこにセラミックやジルコニアでできた被せものを行い、審美性を高くします。
・奥歯のインプラント
奥歯をインプラント治療する際、ジルコニアを使い土台と被せものを一体型にしネジで取は外せるように治療します。
一体化することで強度が増し、ねじで止めることで土台と被せものを接着する際の接着剤の取り残しを防げたりできます。
また、メンテナンスを行う際簡単に取り外せるメリットもあります。
まとめ
保険適応外でも銀歯ではなくジルコニアがおすすめな理由を具体的に挙げてみました。
保険が使えないと治療費が高くつきますが、ここでご紹介したジルコニアがおすすめの理由を見てみると、それ以上にメリットが多いことがお分かりいただけましたか?
保険が使えなくても審美性や機能性に優れた素材で治療したい・・とお考えの方は、ジルコニアを選択肢の1つとしてお考えになってみてはいかがでしょうか?