審美歯科で行われるオフィスホワイトニングは即効性が高く、院内で処置をした後は短期間で歯が白くなるのが特徴です。
しかし、歯科医院で行うオフィスホワイトニングやご自宅で自分自身で出来るホームホワイトニングにおいては、どちらも「永遠に白さが長続きする」という訳ではありません。
永遠に白さを継続させる事は難しいホワイトニングですが、ホワイトニングで得られた歯の白さを出来るだけ長く保ち続ける事は可能です。
今回は、「ホワイトニングの白さを保つポイント」についてお話をさせていただきます。
目次
■ホワイトニング中は特に着色しやすくなります
人の歯の表面は、エナメル質の上を「ペリクル」という唾液から出来ているたんぱく質の薄い膜がおおっています。
ペリクルは歯垢(プラーク)の材料になってしまう物質なのですが、同時に歯を外部からの刺激や汚れから保護してくれる、という性質も持っています。
そして、歯科医院で行うオフィスホワイトニングを受けた直後には、ペリクルが一時的に失われた状態になります。
この為、ペリクルが失われた歯は食べ物や飲み物を摂取した時に着色しやすくなってしまうのです。
ペリクルは通常であればオフィスホワイトニングを受けた後、24時間前後の時間が経過する事で自然と再生されますが、この24時間が「ホワイトニング後の歯の再着色」にもっとも気をつけなければいけない時間となります。
■歯の着色を促進させてしまう食べ物や飲み物
歯科医院で受けるオフィスホワイトニング治療は美しく白い歯をよみがえらせますが、その後の食生活を改善してゆかなければせっかく白くした歯も再び着色してしまいます。
ホワイトニング後の再着色を防ぐには、以下に挙げる着色性が強い食品や飲料の摂取を控えるようにしてください。
①歯に着色しやすい食べ物や飲み物
・赤ワイン、緑茶や抹茶、紅茶などすべての種類のお茶、コーヒー
・ターメリック(うこん)を含んだカレー、キムチ(とうがらしから作られている物)
・梅干、イカ墨、牡蠣、緑黄色野菜(春菊やほうれん草、明日葉、ふきのとう、青菜など)
・ぶどう、オレンジなどのかんきつ類
上記の食品や飲み物には色素成分やアクを多く含んでいる物が多いほか、無機質であるマグネシウムや鉄、リンや亜鉛、銅、マンガンといった成分や酸性の成分を含んでいる食品も多く、歯に着色しやすいので注意が必要です。
②食べあわせによって歯に着色しやすい食べ物や飲み物
・「お茶(緑茶や紅茶など、茶類全般)」と「みかんやオレンジなどのかんきつ類」
・「赤ワイン」と「牡蠣」
この2つの飲食物の食べ合わせはどちらにも着色しやすい成分が含まれている為、同時に摂取する事で歯への着色効果がさらに強まってしまうおそれがありますので、気をつけるようにしましょう。
③飲食物以外で着色しやすい物
・タバコを日常的に吸う喫煙習慣
・煎じて飲むタイプの漢方薬
・歯磨き粉(グルコン酸クロルヘキシジンやフッ化第一スズが配合されている物)
・マウスウオッシュなどの洗口剤やうがい薬(ポピドンヨードやグルコン酸クロルヘキシジンが含まれる物)
これら、喫煙習慣や、漢方薬、特定の成分が含まれた歯磨き粉やマウスウオッシュなどを日常的に使用する事も歯の着色の原因となるので注意しましょう。
■自宅で歯の着色を防ぐ方法
ホワイトニングを行った後にご自宅で歯の着色を防ぐには、以下の2通りの方法があります。
①タッチアップを行う
タッチアップとは、最初に歯科医院でオフィスホワイトニング治療を受けて歯を白くした後、3ヶ月おきや半年に一度の頻度でご自宅でホームホワイトニングを行う事を指します。
タッチアップをご自宅で行う場合の目安としては、ホワイトニングをした歯の白さが「また少し黄ばんできているな」と感じた時がタッチアップの目安となります。
タッチアップをご自分で行う際には、オフィスホワイトニングを受けた歯科医院で定期的なメンテナンスを受け、歯のクリーニングを行った後にホームホワイトニングをする事でより効果的に歯の白さを取り戻す事が出来ます。
②ホワイトニング専用の歯磨き粉を使う
ホワイトニング後の歯の白さを長持ちさせる為には、タッチアップのほかに「ホワイトニング専用の歯磨き粉」を使用してブラッシングする方法が有効です。
ホワイトニング専用の歯磨き粉は研磨剤を配合した歯磨き粉が有名ですが、研磨剤は必要以上に歯を削りすぎてしまうおそれがあります。
研磨剤以外のホワイトニング専用の歯磨き粉としては、「カルプロックス」という成分が配合されている歯磨き粉がプロテインペリクルと呼ばれる歯の表面上のたんぱく質を分解して汚れを落とす効果がある為、歯の白さを取り戻す歯磨き粉としてオススメです。
■歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける
オフィスホワイトニングの施術を受けた後には、ホワイトニングを行った歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける事をおすすめします。
ホワイトニング後の白い歯を長持ちさせる為に歯科医院での定期メンテナンスをおすすめする理由としては、歯に付いてしまった汚れは放置してしまうとどんどん着色が進んでしまうのに対し、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けて歯をクリーニングしておけば着色しやすい飲食物を摂取した場合でも着色物質が歯のエナメル質の奥に取り込まれにくく、歯への着色を防ぎやすくなる為です。
ホワイトニング後の歯の白さを長持ちさせる為には、「半年~1年に一度」の頻度で定期的に歯科医院でメンテナンスを受けるようにしましょう。
【着色しやすい飲食物や喫煙習慣を控えて白い歯を長持ちさせましょう】
「歯の白さを保つポイント」についてお話をさせていただきました。
ホワイトニングを行った後の白い歯を保つには、「着色しやすい食べ物や飲み物」、そして「喫煙習慣」などの着色が起きやすい習慣を控える事が大切です。
また、化学成分が配合されたホワイトニング専用歯磨き粉を使った歯磨きも歯の白さを長持ちさせるのに有効な方法となります。
オフィスホワイトニングを行った後は、ぜひ、今回ご紹介した「白い歯を保つ方法」をご自分で継続して行い、ホワイトニング後は定期的に歯科医院でメンテナンスを受けて白く美しい歯を長持ちさせるよう心がけましょう。