インプラントをしたらMRIは受けられないの?

はじめに

インプラント治療を受けたら体の中に金属が埋め込まれるためMRIなど特殊な検査を受けられない・・という話を聞いたことはありませんか?
それ以外にもCT検査やレントゲンなども不可能などといった話も聞きます。
実際のところはどうなのでしょうか?
ここではインプラント治療を受けたらMRIなどの検査を受けられるのか、飛行機には乗れるのか・・など、ご紹介してみましょう。

インプラントとは

そもそもインプラントとは歯周病や虫歯などで歯を失ったところへインプラントという人工歯根を埋め込んで、そこに人工の歯を装着する治療法です。
現在、歯科治療でこのインプラント治療が広く行われるようになってきました。
歯科用語では人工歯根のことをインプラントと呼んでおり、天然の歯のような見た目と噛み心地を実現します。
さらに、なくなった歯の部分だけを治療するものなので、両隣の健康な歯まで削る心配がありません。
ただ、インプラント治療は歯ぐきを削る外科手術を必要とするため、一般的な歯科治療よりしっかりとカウンセリングや検査、診断に時間をかける必要があります。
最近あごの骨に埋め込むインプラントの素材のほどんどはチタンで、これは次のような性質を持っており、インプラント治療に非常に適している素材です。
まず、体にとても優しいです。
金属アレルギーも出にくく体に悪影響が及びにくく熱伝導率が悪いです。
さらに、軽くて強い特性があります。
ちなみに、重さは鉄の半分だと言われており、強度は鋼鉄以上だと言うから驚きですね。
また、さびにくいという特性もあります。
酸や海水にも高い耐食性があると言われています。
インプラントが現在のような形になる前の原型は、スウェーデンのブローネマルク博士によって開発されました。
システムやサイズにしてもさまざまな改良が加えられ、東洋人向けのインプラントも開発されています。
こういったインプラントの研究開発は医科学的な研究だけでなく、精密工業などと共に進んできたと言えます。
なお、現在の日本のインプラント製造技術は世界最高水準だそうです。

MRI検査は受けられるの?

では、インプラント治療を受けているとMRI検査を受けることができるのでしょうか?
チタンやチタン合金製のインプラントが埋められている場合であっても、MRI検査を受けることができます。
その理由はチタンやチタン合金製のものはMRI画像を乱さないためです。
チタンやチタン合金は非磁性の金属なので磁場の影響を全く受けません。
さらに、MRIの電磁波により強力な磁力に金属が引きつけられる、金属が発熱する・・などがありますが、チタン製やチタン合金製の場合はこういったことが起こらないのです。
以前のインプラントは鉄やステンレス製の金属でできているものが多かったのですが、最近はあまり使われていないようですね。
つまり、現在主に使われている素材のインプラントであればMRIに影響はないと言ってもいいでしょう。
また、インプラント体はあごの骨と強力に固定されているため、MRIの磁力によるトルクや吸引力の力を発生させないとも言われています。
結果、ほとんどの歯科医師はインプラント治療を受けた方でもMRI
検査が受けられると結論づけています。
ただ、問題なのはマグネットデンチャーなどの磁石製のアタッチメントなどを使っている場合で、心配であれば治療を受けたクリニックで確認しておくことをおすすめします。

CTは受けられるの?

では、インプラント治療を受けた方はCT検査が受けられるのでしょうか?
実はCT検査については画像診断に何らかの影響がある場合もありますが、検査を受けること自体はできます。
どういった影響があるのかと言うと、金属によりアーチファクトという画像の乱れが起こると言われています。
ただ、金属を使用したインレーやクラウンも同様で、チタンはX線の吸収がほとんどないためこのアーチファクトの発生が少ないとも言われています。

飛行機に乗っても大丈夫?

では、インプラント治療を受けた方が飛行機に乗っても大丈夫なのでしょうか?
飛行機に乗る前には金属探知機を通る必要がありますが、インプラントに反応し音が鳴ることはないのでしょうか?
骨折治療で使われているボルトなどは反応することもありますが、これは検査前に申し出たり、レントゲンや診断書を見せることによって通過することができます。
インプラント治療に使われているチタンは探知機に反応しづらいと言われています。
その理由は他の金属と比べると原子量が小さいからだからです。
さらに、金属探知機は金属の量が多ければ多いほど反応しやすいと言われていますが、インプラントで使われている金属量はさほど多くないので、通過時に影響することは少ないです。
ただ、インプラントを埋めている本数が多い方は事前にクリニックで診断書をもらっておくと安心でしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
結論的を言うと、インプラント治療を受けて検査に支障が出ることはほとんどないと言えます。
ただ、磁石装置には注意が必要なのでMRI検査を受ける場合には医師にインプラント治療を行っているかどうか確認されるはずです。
もし、磁石の装置を外しても検査を断られた時は歯科医師から手紙を書いてもらうといいでしょう。
また、インプラントでなくても自分の歯に磁石を付けている場合には自分から申告して磁石を取ってもらう必要があります。
なお、最近のMRIは非常に精度が高くなっているので、歯科治療用の磁石程度で画像が乱れてしまうことはないようです。
ぜひ、ここでご紹介したことを参考にしていただき、安心して検査を受けて下さいね!

TOP