目次
はじめに
みなさんはもし歯が無くなってしまったら、どのような治療を受けたいですか？
最近、歯を失った時の治療法としてインプラント治療を受ける方が増えています。
この治療法は人工歯根をお口の中の骨に作って、そこに義歯を被せるものです。
入れ歯やブリッジのような痛みや違和感がなく、本物の歯のような自然な上がりが特徴です。
ただ、インプラントは人工歯根を埋め込むものですが、治療を受けたら終わり・・というものではありません。
少しでも長い間使うためには正しいケアが必要です。
このインプラントとはいったいどの程度もつものなのか、ここではインプラントの寿命についてなど詳しくお教えしましょう。
これからインプラント治療を受けてみたいと思っている方のご参考になれば幸いです。
インプラントの寿命とは
インプラントはメンテナンスをしっかりすれば10年以上も使えるものです。
累積残存率は10年で9割を超えているとも言われています。
つまり、適切なメンテナンスを行いさえすれば半永久的に使える第二の永久歯とも言えます。
ブリッジや入れ歯と比べると
ブリッジの寿命は7～8年、入れ歯の寿命は4～5年程度だと言われています。
つまり、インプラントは他の治療法と比べても寿命が長いと言えますが、他にもさまざまなメリットがあります。
それはインプラントは他の治療と比べて寿命が長いだけでなく、残った歯の寿命を短くしない・・という点です。
半永久的に持つ
インプラントのほどんどがチタンやチタン合金でできており、こういった材質は損傷や摩耗が少ないため、丁寧に使用していれば半永久的に使えると言われています。
ですが、メンテナンスの程度や素材などにより寿命が変わってくることもあります。
とは言っても、インプラントの累積残存率は9割以上で、インプラント治療に10年保証を付けているものもあります。
入れ歯やブリッジの寿命はこれよりかなり短いため、これらと比べると非常に長いと言える素晴らしい治療法です。
インプラントの寿命が短くなる原因
さて、インプラントの寿命が短くなる原因にはメンテナンスがいい加減なことによる感染が挙げられます。
インプラントの歯周病であるインプラント周囲炎がそれで、メンテナンスが不足することによってプラークなどが付いたままでいると歯周病のように細菌感染してしまい、インプラントがグラついたり、脱落したり、歯ぐきから出血したりします。
さらに、インプラント周囲炎は歯周病より進行が早く自覚症状もほとんどないため、気づいた時にはすでに手遅れ・・という場合もあります。
このインプラント周囲炎は自然治癒しないので、違和感があったらすぐにクリニックを受診しましょう。
進んでしまうとインプラントが使用不可能になったり、再度作り直す必要が出てきます。
インプラントの保証を受けるためにも、インプラントを長持ちさせるためにも、メンテナンスは必要不可欠なんですね。
噛み合わせによるもの
インプラントは成功率が非常に高い治療法ですが、100パーセント成功するとは限りません。
どういった歯科治療でも同様ですが、いったん治療を受けたところを一生保つのは困難です。
たとえば、被せものや詰めものを一生維持することなどできません。
毎日食事の際に噛むことによって、被せものなどは必ずすり減っていきます。
当然咀嚼力には人それぞれ差があるため、歯ぎしりがあるかどうかなどによっても変わってきますが、少しずつ間違いなくすり減っていきます。
靴も、毎日使っていると少しずつですがすり減りますよね？
すり減り方には個人差があって、内側だけ、かかとの部分だけ、外側だけ、右側・・など、人それぞれ違っています。
お口の中も同じで、左側で噛むクセがある方は左側だけが減っていきます。
さらに、インプラントは天然の歯ではないため歯根膜のようなものがないので噛んでも沈み込まないため、直接インプラントの被せものに噛む力がかかってしまうのです。
被せものをした時にはそれを防ぐために調整を行いますが、時間が経つにつれ噛み合わせは変わってくるため、インプラントの部分に負担がかかってくるのです。
インプラントの寿命を延ばすには
毎日のブラッシング
インプラントは人工の歯なので入れ歯のように取り外して洗うことができないため、使っていくうちに天然の歯と同様にプラークが付いてきます。
それをキレイにするには日頃のブラッシングが必要不可欠です。
毎食後きちんと歯磨きをおこないましょう。
クリニックでのメンテナンス
インプラント治療を受けたらクリニックに定期的に通う必要があると言われています。
インプラント治療を受けた方で最も多いトラブルがインプラント歯周炎です。
これはブラッシングだけでは取りのぞけなかったプラークや歯石が原因となり起こるものです。
自然治癒するものではないため問題が何もなくても半年に1回程度はクリニックで検診を受けていただき、プラークや歯石を除去するなどメンテナンスを受けて下さいね。
違和感を感じたらすぐにクリニックへ
インプラントは入れ歯やブリッジと比べても痛みや違和感のほとんどない治療法なので、違和感などを少しでも感じた場合にはすぐにクリニックで診てもらうようにしましょう。
早めに異常を見つければ治療のための費用や時間もかからないはずです。
この程度なら大丈夫だろう・・などと過信しすぎるのは止めましょう。
まとめ
インプラントの寿命を延ばすには日頃のメンテナンスや定期的な通院も重要ですが、インプラント治療を受ける際に技術や経験の豊富な医師に治療を依頼することも大切です。
そのためにも安い価格や派手な広告などに惑わされることなく、実際に説明を聞いたり、ホームページなどでチェックすることも大切です。
また、インプラントには保証が付いていることもあるため、確認しておきましょう。
インプラント治療は費用は高額になりますが、医療費控除が使えるので利用するといいでしょう。
初期費用は高いても長い目で見ればかなりコストパフォーマンスのいい治療法です。
歯をなくした時の治療法として、選択肢の1つに入れてみてはいかがですか？
