インプラント受けることができない人はどんな人?

はじめに

生活習慣や持病、他の治療を最優先にする必要がある・・などインプラント治療ができない理由はさまざまですが、最近は技術が向上したためそのケースも減ってきています。
本当は治療できたのによく分からないままあきらめてしまったということにならないよう、インプラント治療が受けられないのはどういった人なのか、ここでは詳しくまとめてみました。
ぜひ、ご参考になさってみてください。

インプラント治療ができないとは

インプラント治療を受ければすぐに食事ができる・・と思われている方が多いようです。
実際、インプラント治療を行えばおいしく食事ができるようにはなりますが、どの方も治療が可能というわけではありません。
インプラント治療とはあごの骨に穴をあけてねじの形をしたインプラント体を埋め込むものなので、手術を受ける際には条件が多いです。
たとえば、ある薬を飲んでいる方や全身の病気がある方、お口の状態が悪い方・・など、インプラント治療に適さない人は治療ができないことがあります。
つまり、インプラント治療を行うにはさまざまな条件を満たしている必要があるのです。

インプラント治療が受けられない人とは

・年齢的に不可能な方

インプラント治療はあごの骨に人工歯根を埋め込むものなので、骨がまだ成長しているお子さんには治療が行えません。
年齢的な決まりはないですが、18歳以上と言われています。

・妊娠している方

妊娠初期にはつわりがあり、後期になると治療の際に横になると腹部が圧迫されるため早産のリスクがあったり、気分が悪くなったりするので治療が困難です。
さらに、あごの骨に人工歯根を埋める手術の際に痛み止めや抗生物質を飲むことになります。
ですので、出産が終わるまで治療は控えた方がいいでしょう。
また、母乳で育てる場合には母乳をあげる時期がわ終ってからの方がいいでしょう。

・骨の状態が悪い

あごの骨に人工歯根を直接埋め込む治療なので質のいい骨が必要になりますが、骨粗しょう症などで骨密度が低い場合は治療ができないことがあります。
インプラント治療を行う前にはきちんと骨の状態を診断し、インプbラント治療ができるかどうかをチェックすることが大切です。
ホルモンバランスの乱れや高齢者の方で骨密度が低い方はインプラント治療でなく入れ歯を勧めることもあります。

・ヘビースモーカーの方

インプラント治療はあごの骨に人工歯根を埋め込んでそれを土台にして人工歯を装着する治療法です。
ですので、極端に骨の量が少ない、歯周病の原因になるヘビースモーカーの方は土台となる部分が弱くなっていることが多いのでインプラント治療には不向きです。

・糖尿病の方

糖尿病の方で血糖値がうまく調整できない方も、インプラント治療はできないことがあります。
糖尿病だと糖が細胞内に取り込まれないと言われています。
体の細胞のエネルギーの元となる糖が届かないので、細胞が飢餓状態に陥ってしまいます。
これによって組織の中の細胞に障害が起こるのが糖尿病の特徴で、血管の細胞が障害を起こすことで免疫系の働きが低下したり、傷が治るのが遅くなったり、細菌感染しやすくなったりします。
つまり、手術の際のリスクがかなり上がってしまうのです。
ただ、全ての糖尿病の方がインプラント治療ができない・・ということではありません。
血糖値がうまく調整されていればインプラント治療は可能ですが、その場合は手術を簡素にすることが条件になったりします。

・重い肝疾患の方

また、肝硬変、急性肝炎などの重度の肝疾患がある方の場合もインプラント治療ができないことがあります。
たとえば、肝硬変だと血液中のたんぱく質であるアルブミンが肝臓で作られないですし、血液を固まらせる働きも弱いからです。
つまり、手術の際に血が止まりづらくなることがあり、手術の際に使われる薬剤が肝臓でじゅうぶんに代謝されないことがあるからです。

・重い心臓病の方

また、重度の心臓病の方もインプラント手術ができないことがあります。
たとえば、心臓病の症状には以下のようなものが挙げられます。

背中に枕を当てないと息苦しくて寝ることができない
階段を上る際に息が上がり登れない
足が常にむくんでいる
・・などです。
これらに思い当たることがある方はまずは内科で受診した方がいいでしょう。
なお、心筋梗塞については発作があって半年以上たっている場合はインプラント治療が可能な場合もあります。
ただ、心臓弁膜症で手術を受けたり、不整脈によってペースメーカーを入れている方の場合はお口の中の細菌がこれらについてしまうことで感染性心内膜炎になることがあるため、インプラント治療はやめておく方が無難でしょう。

・人工透析を行っている方

腎疾患になると免疫力が低下すると言われており、傷が治りにくくなってインプラント治療がしづらくなります。
特に、人工透析を受けている方は骨がもろくなっているためインプラント治療は避けておきましょう。
もし、手術をした場合は細菌が臓器にまで飛ぶ可能性があるため危険だからです。

・定期的なメンテナンスができない方

インプラントは虫歯になることはありませんが、インプランント周囲炎という病気になることがあります。
つまり、定期的なメンテナンスが必須となります。
それができない方はインプラント治療はできないでしょう。

まとめ

インプラント治療ができない方がいることはぜひ知っておいていただきたいことです。
ですが、そのような方は全てあきらめなければならないのでしょうか?
インプラント手術は手術の中でも出血もさほどなく、体への影響があまりないものです。
つまり、インプラントの障害の原因によっては手術が可能なこともあります。
たとえば、全身疾患がある方は総合病院で体調コントロールを行いながら治療する、飲んでいる薬に原因がある方はいったん中断しても問題ないかをかかりつけの医師に相談する、お口の中に原因がある方は手術可能な状態にする・・などですね。
現在医療技術も進歩していますので、努力次第ではインプラント治療が受けられるかもしれません。
すぐにあきらめてしまわず、かかりつけの医師に一度相談してみて下さいね!

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