はじめに
歯の最大の役目は噛むことですが、前歯は食べものを噛み切ると同時に審美的な意味もあり、奥歯は食べものを噛み砕く機能があります。
ただ、残念なことに事故や歯周病、虫歯などによって歯を失うことがあります。
たった1本歯をなくすだけでも審美性や機能性が失われてしまい体全体のバランスに影響を与えるので、できる限りすぐにその部分をなんらかの形で補う必要があります。
ここでは歯をなくしてしまう原因やインプラントが最適な症例についてご紹介しましょう。
虫歯とは
虫歯菌が歯垢の中で繁殖してしまうと、そこにある糖分を栄養にして酸を出します。
その酸によって歯がだんだん蝕まれていくのが虫歯です。
この虫歯の最大の特徴は治療してもまた再発することで、これを繰り返すことで最終的に歯をなくすことになりかねません。
特に30歳頃までに歯をなくしてしまう原因は虫歯だそうです。
つまり、ご自分でのケアとクリニックでのケアが大変重要になってくるということですね。
歯周病とは
次に歯周病についてですが、プラーク内で繁殖した歯周病菌により歯を支えているあごの骨や歯ぐきが少しずつ溶かされる怖い病気です。
また、虫歯と同じで一度治療しても再発するのが特徴です。
30歳以上の方が歯を失う原因の多くが歯周病で、原因を調べていくとストレスや生活習慣、免疫力の低下・・などがあります。
日本では現在、35歳以上のうちの8割もの方がこの歯周病か予備軍だと言われています。
自分だけは大丈夫などと思わず、きちんと予防を行うことが重要です。
歯の重要性
歯の寿命を延ばすために最近の歯科治療ではできる限り削らず抜かない治療が行われており、歯を抜くのは最終手段です。
ですが、虫歯や歯周病が進んでしまった場合や事故で歯が抜けてしまった場合には抜歯することもあります。
奥歯だから目立たないとか、1本くらいなくても特に問題ない・・などと放っておくと、時間が経つにつれてさまざまな悪影響が出てくると言われています。
さらに歯1つ1つの歯根周辺にある歯根膜には咀嚼によって脳とつながっているセンサーがあり、それも失われるため認知症になりやすいそうです。
歯には咀嚼と嚥下、審美、発音の4つの役割があると言われており、上顎の歯と下顎の歯がきちんと噛み合うことによってこれら全ての機能を果たしているのです。
つまり、歯を1本でもなくしてしまうとその隣合った歯が倒れ込んだり、噛み合う歯が必要以上に伸びたりし、噛み合わせがおかしくなります。
そうなると、発音しづらくなったり、きちんと噛めなくなるため食事が楽しめない、歯と歯のすき間があいて食べかすが詰まりやすくなり歯周病や虫歯になりやすくなります。
さらに恐ろしいのは全身に悪影響が及ぶことです。
たとえば、肩こりや頭痛、耳鳴りなど噛み合わせによってさまざまな全身症状が起きると言われています。
インプラントとは
歯が抜けてしまったとしても、インプラント治療で歯を再生することでまるで天然の歯と同様の噛み心地が手に入れられます。
インプラントは被せものだけでなく歯を根元から再生する歯科治療で、ブリッジや入れ歯とは全く違い根元からしっかり自立するため自分の歯とおなじようにしっかり噛める素晴らしい治療です。
つまり、しっかり噛めるのであごの骨が鍛えられ、老けて見られる心配もありません。
また、入れ歯だと汚れやにおいが気になるので取り外してお手入れする必要がありますが、インプラントなら天然の歯と同様歯磨きでケアできます。
インプラントのメリット
では、このインプラントにはどういったメリットがあるのでしょうか?
インプラントにはさまざまなメリットがありますが、最大のメリットと言えば咀嚼力が再現できることでしょう。
・噛む力が再現できる
インプラントが現在のように広がる前まではブリッジや入れ歯など、残った歯を使って歯の力を補っていました。
ですが、インプラントなら天然の歯と同様の咀嚼力が再現できます。
つまり、元の歯のように噛めますし、違和感もなく食べ物をしっかり噛んで食べられるので食事が楽しくなります。
・がたつきがない
次のメリットしてはがたつきがないことがあります。
インプラント治療を行うと入れ歯のようながたつきがあるのでは?と心配する方もいらっしゃいますが、インプラントの歯根はとても固定性が高いのでがたつく心配がありません。
硬いものでも安心して食べることができます。
・審美性が高い
入れ歯だと歯にバネをかけなくてはなりません。
なので、会話の際に入れ歯だと気づかれてしまうので気になって口を大きく開けられない方もいます。
でも、インプラントなら入れた歯が外れたりしませんし、見た目を気にせず堂々と会話ができます。
インプラントに適した症例とは
・1本だけ歯をなくした場合
なくなった1本の歯の代わりにインプラントを1本使用して治す方法はオーソドックスな治療法だと言えるでしょう。
ブリッジだと両隣の健康な歯まで削る必要がありますが、インプラントならその必要がないため負担がありません。
・下あごか上あごの歯端の歯がなくなった場合
歯をなくしてしまった部分が大きかったり、数本の歯をなくした場合は入れ歯を使って治療をしていましたが、取り外し式の入れ歯だと残った歯で維持されるためさまざまなトラブルがありました。
ですが、インプラントならインプラントを支えにして固定するため安心です。
・歯が全く残っていない場合
今まで広く行われていた入れ歯だと軟組織だけで支えていましたが、インプラントならあごの骨にしっかりと結合させるので、噛む時や発音する際に歯が動いてしまうことなくしっかりと固定されます。
まとめ
歯をなくしてしまう原因やインプラントに適した症例などをご紹介しました。
歯をなくしたまま放っておくことはさまざまなデメリットがあるということですね。
インプラントにはリスクが多いと思われがちですが、実際には慎重に治療を行うことでブリッジや入れ歯などより機能が改善される治療法だと言われています。
もし、インプラント治療を受けようと思ったら信頼できるクリニックできちんと相談していただき、納得した上で治療に臨みましょう!