大人になってから矯正治療を受ける前に知っておきたい基礎知識

はじめに

矯正治療はお子さんのものだと思っている方が多いでしょう。
実際には大人になってからでも矯正治療を行うことが可能だと言われています。
歯が動くのは歯の周りにある骨が新しくできたり、吸収されることで起こると言われており、そのことは子どもも大人も無関係なので大人になっても矯正治療が可能です。
大人になってしまったからと言って矯正治療をあきらめるのではなく、ご自分のライフスタイルに合わせた矯正治療を行うようにしましょう。
ここでは大人になってから矯正治療を受ける前に知っておきたい基礎知識についてまとめてみます。

大人の矯正治療のメリット

・相手にいいイメージを与える

歯並びがよくなると清潔感があって相手に与えるイメージがアップします。
海外では歯並びがいいかどうかで出世に影響するとも言われるほどです。
まだ日本ではそこまでではありませんが、将来ますますグローバル化するのは間違いないため仕事などで海外の方と接することも増えるでしょう。
また、営業や接客の仕事をしている方にとって歯並びがいいかどうかは相手に与える印象がかなり違ってきます。
つまり、歯並びをよくするメリットはかなりあると言っていいでしょう。

・前向きな性格になる

歯並びがよくなると顔のイメージがかなり変わるため、口元がコンプレックスだった方も改善されることで性格が前向きになり積極的になる方が多いです。

・虫歯や歯周病になりづらくなる

歯が重なり合っているところが少なくなるためブラッシングしやすくなり、歯周病や虫歯になりづらくなります
さらに、噛み合わせが改善されるので特定の歯だけに負担がかかることがなくなるため歯周病を予防できます。

・歯の寿命を延ばせる

歯を清潔に保ちやすくなったり、噛み合わせの負担が均一になるため歯や歯ぐき、周りの骨などが傷みづらくなり結果的に寿命を延ばすことができます。
さらに、噛み合わせや歯並びが悪いままだと矯正治療後の被せものや詰めものと歯とのすき間から虫歯になりやすかったり、すぐに破損したりなどが起こりますが、矯正治療によって治療部分を長持ちさせることができます。

・口臭が軽減する

歯並びが悪いままだと歯が重なっているところが不衛生になるため口臭が起きやすくなります
また、出っ歯などですと口が渇くため口臭が強くなると言われていますが、矯正治療を行えば改善されることが多いです。

・全身の健康状態がよくなる

噛み合わせがよくなると、体の筋肉のバランスがよくなるため肩こりや頭痛、腰痛・・などの全身の不調が改善されることがあります。
さらに、食べものをしっかりと噛めるようになり、唾液の分泌も促進されるようになるため消化がよくなり、消化器官の調子も良くなることが多いです。
歯周病や虫歯になりづらくなるためそれらが原因とされている全身疾患、たとえば糖尿病や肺炎、脳や心臓の疾患、消化器系の疾患などを予防できるというから驚きですね。

大人の矯正治療前に知っておくべき注意点

・治療に痛みがあることがある

大人の歯はお子さんと比べると場所がすでに固定されているためそこから歯を動かしていくとなれば、治療し始めの頃は強い痛みを感じることが多いです。
ただ、痛みは少しずつおさまっていくためあまりにひどい場合は痛み止めなどを処方してもらいましょう

・歯や歯ぐきにダメージが起きることがある

大人の場合すでに歯の位置が決まっているため矯正治療を行っても歯が動きづらいことがあります。
無理に動かそうとすれば動かしたくない歯が動いたり、歯の周りの骨が溶けたり・・などが起きることがあります。
そういった場合には矯正治療ではなく被せものを使用した治療法を行うことが多いです。
また、矯正治療を行っている間はブラッシングしづらいため虫歯になりやすいです。
そうなると、必要以上の強い力でブラッシングしてしまうと歯の表面が傷んでしまうため象牙質が露出することがあり、食べたり飲んだりする際に知覚過敏になってしまうことがあります。
また、矯正治療によって歯を動かすためそれまで歯ぐきの中に埋もれていた歯の根元が出てきてしまうこともあるようですね。
ただ、矯正治療によって起こる知覚過敏についてはすぐにおさまることが多いので、必要以上に心配することもありません。
ずっと症状が続くようならクリニックで相談してみましょう

・治療に時間がかかることがある

お子さんの頃の矯正治療と比べると大人の矯正治療は動かした後に歯が元に戻ろうとする力がかかりやすい・・というデメリットがあります。
ですので、動かした後は歯並びがしっかりと固定されるようしばらくの間保定装置を装着する必要がありますが、大人の場合は3~5年程度と長くなることが多いです。
その間定期的にクリニックに通う必要があるため、費用や通院の手間がかかることを頭に入れておきましょう。
また、大人になればなるほど歯周病にかかるリスクが高まります。
歯周病になっているとその治療が優先されるため、矯正治療は後回しになります。
つまり、矯正治療を行うには歯周病を治療する必要があるため、日ごろのお口のケアがいかに大切かということが分かりますよね?

・お口のケアをていねいに行う必要がある

歯にプラークなどの汚れがあると歯周病や虫歯の原因になるのはご存じですよね?
また、歯周ポケットというものがあると、歯が動くのに伴って歯ぐきが腫れてしまったり、膿んだりすることもあるそうです。
なので、クリニックへ定期的に通院し歯並びの乱れだけでなくお口の中を全体的に診てもらうようにしましょう。
また、ブラッシングについても分からないことがあれば、この時にしっかりと聞くようにしましょう。

まとめ

大人になっても歯並びが悪いのを放置していると、精神的コンプレックスだけでなく歯の寿命が短くなったり、体調不良になったりします。
矯正治療は短期間で終わるものではなく、人によっては2~3年以上もかかるという長期間にわたる治療です。
ですが、大人になって矯正治療を受けることで得られるメリットは計り知れません。
もし、ご自分の歯並びに自信がないなら、一度クリニックで相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?

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