矯正治療で歯を抜く必要があるケースとは

はじめに

矯正治療を受ける際、抜歯して治療を行う場合と抜歯しない場合とがあります。
人によってどちらを選んだ方がいいか違っており、治療法を選ぶ前しっかりとメリットやデメリットを知った上で選ぶことが重要です。
歯科医師から納得するまで説明を受けた上で矯正治療に臨むようにしましょう。

矯正治療で抜歯するメリット

口元を美しくできる

出っ歯など歯並びが悪いせいで口を閉じにくいというトラブルのある方は、歯を抜いて移動できるスペースを作って動かす抜歯をした方が歯並びが美しくなると言われています。

スペースを作れる

矯正治療は矯正装置を使って引っ張り少しずつ歯を動かす治療です。
歯並びを無理やり動かすので、歯が移動するためのスペースが必要になるわけですね。歯を抜いて治療することでお口の中にスペースができるので、そこを利用し矯正治療することによって美しい歯並びにすることができます。
特に受け口や出っ歯、乱食い歯・・などの方の場合あごのスペースに全ての歯が収まらないので歯並びをきれいにするには抜歯をする方が好ましいです。

あごが小さい方も対応できる

日本人は欧米人と比べて特にあごが小さく歯が並ぶスペースが小さいと言われています。
美しい歯並びにするにはあごが小さい分、それだけスペースを作り歯が移動できるようにする必要があります。
特に女性はあごが小さいため歯を抜くことでより美しい歯並びが実現します。

親知らずで歯並びが悪い場合も改善できる

親知らずはすべて抜歯する必要があるとは限りません。
ですが、永久歯の邪魔になっていたり、親知らずが生えている方向が歯並びに悪影響が及んでいる場合は抜歯した方がきれいな歯並びにすることができます。

奥歯をまっすぐ保てる

矯正装置の力が強力だと、奥歯が引っ張られてしまい歯並びが乱れてしまう可能性があります。
奥歯には歯並びの両端にあるしんがりの役目もあり、矯正装置によって周囲の歯並びに悪影響があるとなれば、抜歯して歯が治まる場所を確保する必要が出てきます。

後戻りを防止できる

矯正治療では周りの環境に合わせて歯が少しずつ移動する特性を利用しているため、いったん歯が移動しても後戻りしてしまうことがあります。
特に矯正直後の後戻りが多いので、歯を抜いてバランスを保つことが必要になります。

治療期間を短くできる

抜歯によってスペースを作ることで矯正治療にかかる期間を短縮できます。
矯正装置が歯を動かす力は非常に弱いので、歯並びが安定した位置にするまでに数年程度かかります。
特に、大人の場合はすでに歯並びが安定してしまっているため、小さいお子さんと比べて期間がかかると言われています。
抜歯すれば大人の矯正治療も短い時間で行うことができるわけですね。

矯正治療で抜歯することのデメリット

頭痛が起きやすい

歯を抜くと歯並びのアーチが狭くなってしまうため、あごを動かす筋肉が緊張しやすくなります。

肩こりが起きやすい

咀嚼筋は肩や首などの筋肉ともつながっており、噛み合わせによって緊張がひどくなるとそのバランスが悪くなってしまい、肩こりが起きることがあります。

ストレスがかかりやすくなる

咀嚼のバランスが悪くなると食べ物を小さくしづらくなるためストレスになることがあります。
その明確な原因はまだ分かっていませんが、精神的に不安定になることもあります。

顎関節症になることがある

噛み合わせが悪くなると顎関節症になることもあります。
噛んだ時にあごの上下が不安定になりあごの関節に負担がかかることで歯がすり減ってしまったり、歯科治療などにより歯に変化があるとあごに負担がかかってしまい、症状が出ると言われています。
矯正治療の際の抜歯で小臼歯を抜き前歯を動かすと前歯の傾きに変化が起き、あごを動かす際の邪魔になってしまいあごの筋肉に力がかかり顎関節症になると言われています。

矯正治療で抜歯した方がいいケースとは

ひどい顎前突

この上顎前突とは、上の歯が前に出てしまっているいわゆる出っ歯のことを言います。
上顎前突が重度の場合前歯をかなり内側に引っ込めなければならないため、歯を抜いてスペースを作る必要があります。

ひどい下顎前突

受け口のことですが、重度の場合傾いた前歯をあごの骨に対してまっすぐにする必要があるので歯を抜いてスペースを作る必要があります。

ひどい叢生

叢生とは歯があごの骨に対して大きくガタガタになっている乱食い歯のことを言います。
歯をきれいに並べる場所が足りないので、歯を抜いてスペースを作らなければなりません。

 

矯正治療で抜歯する場合の痛みや腫れについて

矯正治療中に抜歯した場合、治療中は麻酔をかけているので痛みはないと考えていいでしょう。ですが、麻酔が切れると痛みが起こることがあります。施術前に痛み止めを処方してもらえるかどうかを確認しておくようにしましょう。
また、痛みが続く期間は人によって違っており、数日程度で治まることがほとんどです。
ただ、痛みがひどくなる、痛みがずっと続く・・などのことがあれば、クリニックですぐに診てもらうようにしましょう。
抜歯後の腫れの程度も人によって違っており、ピークは1~3日程度ですが、歯根の形が複雑だったり深い方の場合抜歯するのに時間がかかってしまい、歯ぐきを傷つけてしまう可能性が高いので腫れがひどくなることが多いです。女性の方や人と接する仕事の方は見た目が気になると思いますので、仕事に差しさわりがないよう休みの前の日に治療してもらうのをオススメします。
また女性の中には生理中や血が止まり難い方、痛みを感じやすい方などがいらっしゃいます。
このような時期には治療を避けられるよう、クリニックで前もって治療日についてしっかりと話し合っておくようにしましょう。

まとめ

矯正治療で歯を抜く必要があるケースやそのメリット、デメリットなどについてまとめてみました。
矯正治療を行う際一概に歯を抜かない方がいいというのは違うようですね?
矯正治療を行うことを検討している方は抜歯するかしないかのご参考にしていただければと思います。

 

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