はじめに
矯正治療についてみなさんはどこまでご存じでしょうか?
矯正治療を行うことで審美性を高めることは誰でも知っていることですが、それだけでなく、はっきり発音できたりしっかり噛めたり・・など、機能性を高めることもできます。
さらに、歯周病や虫歯を予防でき、頭痛や肩こりがよくなったり、体のさまざまな不調がなくなったりなど、全身にもいい影響があります。
ここではそんな矯正治療の治療法別メリット、デメリットをお教えします。
矯正治療法別メリット&デメリット
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは歯にブラケットを装着しそこにワイヤーを通し少しずつ歯を移動させていく治療法で、一般的に行われている矯正治療法です。
ブラケットは金属製であまり見た目がよくないですが、最近では目立ちにくい透明なものやセラミック製のものもあるようです。
透明のものを使うと目立ちにくいのはいいのですが、ワイヤーは金属ですのでやはり見えてしまいます。
このワイヤー矯正のメリットとしては、歯を抜きスペースを確保できるので重度の歯並びの悪さに対応可能なことや、奥歯の噛み合わせが悪い場合も治療ができます。
ですが、デメリットも何点かあります。
上でもご紹介した通り、ブラケットやワイヤーを使用するため見た目が悪くなってしまったり、矯正中はしっかりケアしないと虫歯になりやすく、歯の根の部分が溶けてしまうことがあります。
また、治療費が少し高いです。ワイヤー矯正にかかる費用は人それぞれお口の状態やクリニックによって変わってきますが、一般的に80~150万円程度かかることが多いです。これには矯正治療費、カウンセリング料、診察料、ワイヤー、調整料・などが含まれています。
またワイヤー矯正をした場合、移動させた歯はどうしても元の状態に戻ろうとするので後戻りが起こります。
後戻りを防止するのためには必ず保定という処置が必要となります。
保定するには取り外し可能な保定装置や、歯に針金を取り付けるものなどさまざまで、期間は1~2年程度からさらに長期間装着するものがあります。
この保定についてもしっかりと確認した上で治療に臨むようにしましょう。
裏側矯正
裏側矯正とは、歯の裏側に矯正装置を装着するため見た目がよく、仕事などに差し支えがありません。
この矯正法は舌側矯正とも言われており、誰にも気づかれずに歯並びを改善することができます。
職業上表側に矯正装置を装着できない方や、思春期などで見た目を気にする方、スポーツを日ごろ行っていて怪我を防止したい方などにオススメです。
さらに、歯の裏側は表側と比べ唾液が多いと言われているため、唾液による殺菌作用に優れており表側矯正より虫歯になりづらいのがメリットです。
ただ、歯の裏側に矯正装置を装着するため表側矯正より会話しづらかったり、違和感が強いことがあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正の最大のメリットは金属アレルギーの方でも治療ができることです。
マウスピース矯正は歯に矯正装置を装着するのではなく、マウスピースを作製し、取り外し可能な装置を使って歯を動かしていく治療法です。
先にご紹介したワイヤーやブラケットのような金属製の矯正装置を使わないため金属アレルギーの方でも安心して治療でき、目立ちにくいのもメリットです。
食事や歯磨きの時に装置を取り外すことができるため、お口の中を常に清潔に保ことができます。
ただ、1日に長時間装着している必要があるため使用できない場合治療が進みませんし、後戻りのリスクが高いです。
また、歯並びの状態によってはマウスピース矯正と併用し一時的に固定式の矯正装置を使ったりすることもあります。
部分矯正
部分矯正は歯並びが気になる一部分のみを矯正治療するというものです。
全体を矯正するのに比べて治療範囲が狭く治療費をかなり抑えることが可能です。
さらに、矯正装置を付けることで起こる食事や歯磨きの際の不自由さや違和感などがありません。
また、目立たないので人から矯正治療を行っていることを気づかれずに済みます。
最大のメリットとしては全体矯正が治療期間に2~3年程度かかるのに対し、部分矯正だと最短で半年程度、長くても1年・・という治療期間の短さでしょう。
つまり、効果を早く実感でき矯正の際の不便さを感じる期間が短くて済むということが挙げられます。
このように、部分矯正を行えば費用面、期間、肉体的精神的な面での負担が軽減されるため、経済的な理由などで矯正治療をあきらめてしまっていた方も治療が可能になることがメリットです。
デメリットとしては治療可能なケースが限定されることでしょう。
部分矯正は歯並びが悪い一部分のみを矯正治療するのには適しているものの、全体に歯並びが悪い場合や噛み合わせを全体的に治療するのには不向きです。こういったケースでは部分矯正ではなく全体矯正をおススメします。
また、部分矯正は限定された範囲だけで治療をするため、全体矯正と比較すると健康な歯を削る量が多くなることがデメリットです。
それに部分矯正は歯並び全体や噛み合わせ全体を治療するのに限界があるので、全体矯正と比べて仕上がりの点で及ばないことやある程度妥協しなければいけないことも多いです。
つまり、部分矯正は費用や期間の面で少なくて済むメリットがあるものの、デメリットについては仕上がりについてのところがほとんどです。
部分矯正だけにこだわらず、歯科医師としっかり相談した上で全体矯正についても検討してみるといいでしょう。
まとめ
矯正治療の種類別メリットやデメリットについてご紹介しました。
矯正治療と一言で言ってもさまざまな治療法があることをお分かりいただけたかと思います。
また、それぞれの治療法にはメリットもあればデメリットもありますので、しっかりと理解した上でどの治療法がご自分に最適なのかよく考えた上で治療法を選びましょう。
矯正治療を行って理想的な歯並びを手に入れられるといいですね!
みなさんにぴったりの矯正治療法が見つかることを願っています。