顎関節症を引き起こす原因について

はじめに

みなさんは顎関節症かも・・と思ったことはありませんか?
あごの関節に違和感があったり、食事の際に痛みが起きる時は顎関節症の可能性があります。
音が鳴る程度の軽い症状を含めた場合、日本人の半数近くは顎関節症にかかると言われています。
ストレスや悪い姿勢など原因は人それぞれですが、最近では安静にしているよりあごの周りの関節や筋肉をストレッチすると効果があるとも言われるようになりました。
ここではそんな顎関節症になる原因や顎関節症の治療法などについてご紹介しますので、最後までお読みくださいね!

顎関節症とは

口を開けようとすると、あごの関節や口を大きく開けられない、あごを動かす筋肉に痛みが出る・・などの症状があるものを顎関節症と言います。
生涯に2人に1人はこの症状を経験するとも言われているほどで、音だけであれば、肩を動かしたり首を回す・・などと同じなので、その程度で整形外科に行く方はいないでしょう。
ですが、顎関節の場合は耳のそばにあるため音が気になってしまうもの。
この音を消そうとすると手術する必要があるため、音だけなら手術はすべきではない・・というのが一般的なセオリーです。
なので、顎関節症の症状があったとしても、口が開けづらかったり痛みが一時的で音だけなら治療しなくていいということになりますね。
ちなみに、音だけに限定すると2割程度の方は顎関節症の症状があると言ってもいいでしょう。
また、あごの関節や筋肉の痛みや口の開けづらさ・・などによって治療が必要になる方は自覚症状がある方のたった5パーセントだそうです。
顎関節症の症状で医療機関を受診される方はほとんどが女性で、年齢は10代から増えていき、20~30代が最も多くその後少なくなっていくと言われています。

顎関節症の原因

  1. 片方ばかりで噛む
    食べものを片方ばかりで噛むことを偏咀嚼と呼びます。
    これは片方のあごだけに負担がかかってしまうため、顎関節症の原因になると言われています。
  2. 食いしばりや歯ぎしり
    顎関節症の最大の原因は食いしばりや歯ぎしり、歯をカチカチすることなどだそうです。
    これらすべてを合わせてブラキシズムと呼び、筋肉が緊張しあごの関節に負荷がかかるものです。
    これを無意識にやっている方は多く、精神的なストレスと深く関わっていると言われています。
  3. 頬杖はうつ伏せ寝など
    頬杖をついたり、うつぶせで寝たり、猫背・・などの悪習慣や悪いくせがあると注意が必要になります。
    知らず知らずの間に骨盤がゆがんでくるため顎関節症になることがあります。
    こういった悪習慣や悪いくせが積み重なって、最終的にあくびをした程度でも音が鳴ってしまい顎関節症なると言われています。
  4. 精神的ストレス
    精神的な緊張や不安から知らない間に歯を噛みしめていることがあります。
    通常だと歯は噛みしめてない状態ですが、噛みしめるとあごの周りの筋肉やあごの関節にもダメージが加わります。
  5. 寝ている間の歯ぎしり
    寝ている間に歯ぎしりをしている場合も起きている間にしているのと同様に、あごや歯に大きな負担がかかると言われています。
    朝起きた時に肩やあごがだるかったり、舌や頬の内側に噛んだようなあとがあったりしたら、寝ている間に歯ぎしりをしている可能性が高いです。
  6. 遺伝的要因や食生活の変化
    生まれつきあごの筋肉が弱かったり、あごの大きさが小さかったりすると、あごに負担がかかりやすくなるため顎関節症になりやすいと言われています。
    特にこれは女性の患者さんに多いケースで、両親からの遺伝的なものが多いです。それに、現代の食事は柔らかいものを食べることが多いのであごを使う機会が少なくなっているので小さくなってしまうそうです。

 

顎関節症の治療法

では、顎関節症だと分かった場合、どういった治療を行うのでしょうか?
まず、知っておきたいのは世界的に認知されている治療に対する考え方についてです。
それは治療法を選ぶ際に治療によって効果が得られなかった場合、患者さんがその被害によってダメージが残らない治療法を選ぶかどうか・・ということです。
分かりやすく言いますと、噛み合わせを改善するために歯を削ったり、被せものをしたり、矯正治療を行う・・ということは避ける方がいいということです。
こういった治療を行ったとしても、症状が改善されないと元通りにはならないからです。
このような治療を行わなくても症状をよくすることができます。
その方法としてマウスピース、マッサージや湿布、口を開けるトレーニング、悪習慣や悪い癖を治す・・などを行うことで効果が得られることが多いです。
一般的に、顎関節症の治療として行われているのはマウスピースを使った治療です。

方法としては上あごまたは下あごの歯にプラスチックの装置を付けます。
寝ている間に付けることで、無意識に歯を食いしばることで起きる顎関節や筋肉への負担を軽くできます。
また、痛みがひどいときは鎮痛剤を服用することもあるでしょう。
さらに、痛みがあるところにレーザーを当てたり、電気的な刺激を加えることで筋肉を収縮させ血流をよくすることもあります。
ほとんどの場合、これらの治療によって症状が消えると言われています。
ただ、2週間程度治療を行っても改善しそうにない場合は専門医を紹介してもらうようにしましょう。
顎関節症かな・・と思ったらどの診療科を選べばいいのかと言うと、口腔外科か歯科で診てもらうのがいいでしょう。

何度も顎関節症になってしまう場合には整形外科を受診する場合もあります。
ただ、顎関節症の原因は人によってさまざまなので、ご自分の原因がはっきりわからないという方はまずは口腔外科や歯科を受診してみるといいでしょう。
なお、治療費については軽いものだと1万円もかかりませんので、顎関節症かもと思ったら迷わず診てもらうようにしましょう。

まとめ

顎関節症の原因や治療法などについてまとめてみました。
もし、日常生活の中で顎関節症かな・・?と思うことがあったら放っておかず口腔外科や歯科を受診していただき、症状が進行する前に治療を受けるようにしましょう。
みなさんが顎関節症から解放されることを願ってやみません!

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