歯が無い場合に考えられるトラブルとは

はじめに

たった1本歯が抜けたからと言って放っておく方がいらっしゃいます。
そのほとんどはよく分かっていても、奥歯なので分からない、逆側の歯で噛めば噛める・・などと安易な理由で放っておくことが多いです。
ですが、どの歯にも全て役割というものがあって、それぞれの歯が支え合い噛み合わせのバランスを取って話したり、噛んだりしています。
ですので1本歯を失うことで、そこからバランスが崩れてしまい取りかえしのつかない事態になりかねません
ここでは歯を失った場合に考えられるトラブルや治療法などについてお教えします。

歯を失った時のトラブルとは

・全身に悪影響が及ぶ

歯がないまま放っておくと、全身にさまざまなトラブルが起きます。
の筋肉は肩や首、頭の筋肉とつながっており、歯がなくなるとその筋肉に負担がかかってしまい、緊張が起き首や肩が凝ったり、頭痛になったりします。

・歯並びが悪くなる

歯がなくなったのを放っておくと、周りの空いたところを埋めようとして上下の歯が少しずつ倒れたり伸びたりして噛み合わせや歯並びが悪化します。
歯の状態が悪くなればなるほど治療をする時に費用がかかったり、治療期間が長引くなどするため、早期治療が必要です。

・顔がゆがむ

歯をなくしてしまうと、無意識のうちに歯のある方ばかりで噛むようになります。
なので、顔の筋肉も噛む側だけ使われるため使わない方はどんどん衰えます。
そのせいで、筋肉のバランスが崩れてしまい、顔が歪んでくると言われています。
人によってはあごの骨がずれてしまい、顎関節症になることもあるそうです。

・消化器官に負担がかかる

歯はたった1本なくすだけで噛む力が衰えます。
食事をする際歯は食べものを細かくする役目がありますが、噛む力が衰えてしまうと食べ物をしっかりと噛まないまま飲み込むことになるので、消化器官に負担がかかります。

・歯周病や虫歯になりやすい

歯は噛むことによってお互いにこすれ合い、自然に汚れが落ちるメカニズムがあります。
ですが、歯がなくなるとこすれないため汚れが残ってしまい歯周病や虫歯のリスクが上がります。

・出っ歯になる

何本か歯が抜けたままで放っておくと、前歯に噛み合わせの力が集中してしまうので、上の前歯を下の前歯が突き上げ上の前歯が出っ歯になることがあります。

・認知症のリスクが上がる

噛むという動作によって脳に刺激が与えられますが、しっかりと噛めなくなると脳への刺激が減ってしまい、認知症になりやすくなります。
実際に、健康な歯が残っている本数の多い方は認知症になりにくいと言われています。

・発音しづらくなる

歯がないままだときちんと発音できなくなると言われています。
前歯をなくしてしまうと、サ行、タ行、ナ行、ラ行に影響が出てきます。
また、奥歯をなくしてしまうと空気が漏れてしまうので、キやシ、チ・・などが発音しづらくなると言われています。
歯をなくしてしまい発音が気になって、人との会話が楽しめないという悩みを持つ方は多いです。
また、接客業などで人と話をする機会が多い方も多いはずです。
歯をなくしてしまった場所を補うことでなくす前と変わらず発音できるので、クリニックで相談し最適な治療法を選びましょう。

・老けて見える

抜けた歯の本数が1本だけではなく多い場合にはその後
歯ぐきや骨が痩せてくるため頬がこけてしまい、ほうれい線が目立ってきます。
顔がたるみ実年齢より老けて見えます。
抜けた歯を放っておくとこのようなトラブルが起きるため、将来のことを考えるなら早めに治療することが大切です。
ただ、放置している歯の期間や本数によるのですが、こういったことは起こりえます。
放置する本数が多くて期間が長いとリスクは高まると言われているので、その分治療にはお金や時間がかかります。
では、具体的に歯をなくしてしまった場合の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?

歯をなくしてしまった時の治療法

・入れ歯

入れ歯は自分自身で取り外しができる歯のことを言います。
入れ歯の種類には部分入れ歯と総入れ歯があり、広範囲で歯をなくしてしまっている場合に行われる治療法で、基本的に口の中左右にまたがるものです。
入れ歯のメリットとしては、手術がいらない、取り外しができるため掃除しやすい、さまざまな症例に適応できる、保険が使える場合がある・・などですね。
いっぽうで、デメリットとしては違和感が強く、部分入れ歯の場合バネのかかっている歯に負担が大きい、食事の際に食べもののカスが詰まりやすい、バネがあるので審美性に欠ける、がたつくことがある・・などです。

・インプラント

インプラントとはチタン製の人工歯根をあごの骨に埋め込んで結合したらそこに被せものを装着する治療法です。
この治療法はブリッジのように隣り合った歯を削る必要がなく、入れ歯のようにバネをひっかける必要がなく、機能が回復できる治療法です。
また、ばねが必要ないため審美性にも優れています。
天然の歯と同じように骨に直接支えられているので、安定感に優れしっかり噛めます

・ブリッジ

ブリッジはその名前の通り、なくしてしまった歯のあったところに橋を架けるように補うもので、昔から広く行われています。
入れ歯と何が違うのかと言うと、自分では取り外しができないということです。
入れ歯と比べると違和感が少ないのですが、ブリッジの下のところは磨きにくいのがデメリットです。
なので、歯ブラシ以外に歯間ブラシなどを使って磨く必要がでてきます。
一番奥の歯までなくしてしまっている場合には橋を渡せないためブリッジ治療は不可能です。
また、土台となる歯がぐらついている場合も治療は困難でしょう。

まとめ

クリニックで抜歯した場合にはその後の治療法をクリニックで提案してくれるはずです。
ですが、突然歯が抜けてしまった場合はどうすればいいのか分からないので、出血や痛みがなければそのまま放っておく方も多いです。
ですが、ここでご紹介したように放っておくとさまざまなリスクがあります。
歯が抜けてしまった・・という方はそのままにしておかず、ご自分に合った治療法で補っていただき、いつまでも健康な歯を保つようにしてくださいね!

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