健康な歯を守る定期検診の内容と定期的に歯科医院を受診すべき理由

はじめに

みなさんは定期的に歯医者さんで検診を受けていますか?
子どもの頃学校で歯科検診を受けた方は多いでしょうが、大人になって歯科検診へ行っている人は少ないでしょう。
ある調査によれば、10~70代の方で1年以内に歯科検診を受けた方は半数程度だそうです。
しかも、何の異常がなくても定期的に歯科検診を受けている人は3割程度しかいません。
ここではそんな歯の定期検診の内容や受診するべき理由などについてまとめてみました。

歯を失ってしまうと

歯を失ってしまうと、ほとんどの方は食事しづらいと感じるでしょう。
また、入れ歯になったり、銀歯を入れることで見た目が悪くなったり、噛み合わせが悪くなるため歯並びが悪くなることもあります。
さらに、食事がしづらくなるため栄養バランスが乱れるリスクがあります。
歯の本数が減ってしまうとビタミンなどの栄養素を摂取しづらくなってしまい、栄養バランスが崩れることが多いです。
結果的に、全ての栄養摂取量が減ってしまうことになります。
もし、今の歯がどんどん減ってしまったらどうなるか・・というのをイメージしてください。
新品のはさみと、使い続けて刃こぼれしたはさみでは切れ味がかなり違いますよね?
歯もこれと同様で、しっかりと噛めなくなるため柔らかいものばかり食べるようになり、結果的に糖分の摂取量が増えててしまい大事な栄養が摂れなくなります。
そういった栄養の偏りにより、問題となるのが生活習慣病です。
また、噛む回収が減るため脳への刺激が減ってしまい、認知症になりやすくなります。
つまり、歯をなくすとさまざまな弊害が起きるということを理解しておきましょう。

定期検診の重要性

歯の治療が終ったら歯医者さんへ行く必要がないと考える方がほとんどです。
実際にはご自分でいくらていねいに歯ブラシをしても、歯周病や虫歯の原因となる菌を完全に除去することは不可能です。
歯医者さんで定期的に検診を受けないでいると、また歯周病や虫歯になってしまう可能性があります。
それに、歯をなくしても、入れ歯やインプラントなどで補うことができるものの、天然の歯と全く同じ見た目や機能性を回復することはできません。
ですので、定期的に検診を受けていただき早期発見、早期治療が大切だということを理解しておきましょう。
よく、歯の定期検診はお金がかかりそう・・と思われている方がいますが、歯周病や虫歯になってから治療した方がはるかに費用がかかってしまい、通院の手間がかかることを知っておきましょう。

歯の定期検診の内容

では、具体的に歯の定期検診の内容とはどういったものなのでしょうか?

歯ぐきと歯のチェック

まず最初に虫歯をチェックしていきます。
痛みがない場合も初期虫歯になっていることがあり、見えづらいところは歯ブラシを当てづらいため虫歯になりやすく、気づかないことが多いです。
また、治療が済んだところは新たに虫歯になりやすいため、そういった箇所をていねいにチェックしていきます。
さらに、歯と歯ぐきとの境目にある歯周ポケットをチェックしていきます。
4ミリ以上の深さがある深い歯周ポケットの場合は自分できれいにできないため歯周病になりやすいと言われています。
さらに、レントゲンでは確認できない組織をチェックしたり、出血や歯のぐらつきなどがないかどうかをしっかり診ていきます。

ブラッシング指導

お口の中を健康に保つにはていねいな歯磨きが必要不可欠です。
ご自分ではしっかりとブラッシングできていると思っていても、磨き癖が誰にもあるもので、歯並びも人それぞれ違うためご自分に合った正しいブラッシング法を指導してもらうことが大切です。
歯の定期検診では歯ブラシ以外にも、歯間ブラシやデンタルフロスを併用したおそうじ法を指導してもらうことができます。

プラークのチェック

何か食べるとプラークが付くのは当然です。
プラークとはお口の中に数億個もあるという細菌に食べもののかすがついたもののことで、虫歯や歯周病の原因になるものです。
このプラークを染色剤を使用し染め出せば、どこにどの程度のプラークが付いているのかをチェックできます。
また、プラークの段階であれば適切なブラッシングによって取り除くことが可能だと言われています。

歯石の除去

歯の定期検診では歯石の除去も行います。
プラークを放っておくと、唾液中のカルシウムと結合し歯石になってしまいます。
歯石にまでなると強くこびりついてしまうため、歯磨きだけでは除去しきれません。
さらに、プラークが付きやすくなってしまい症状がさらに悪化すると言われています。
クリニックでは専用の器具を使用し、この歯石を取り除くことができます。

歯並び、噛み合わせのチェック

歯並びや噛み合わせが悪いままだと、歯ブラシが隅々まで届きづらくなり汚れが溜まりがちになります。
正常な噛み合わせでない状態にはさまざまなものがあり、ひどい場合は矯正治療を勧められることもあります。
また、噛み合わせが悪いままだと虫歯になりやすいほか、頭痛や慢性疲労、歯ぎしり・・などの原因になることもあります。

相談や指導

歯医者さんと聞くと歯や歯周病を治療するところと思われがちですが、他に噛むことや飲み込むこと、あごの痛みなどについて・・など、お口の中全般についても相談できます。
プロの立場から最適なアドバイスを受けることができるので、お口の中のことは何でも相談してみましょう。
意外だと思われるでしょうが、お口の粘膜の異常によって口腔がんになることもあります。
そういった異常も定期検診でチェックしてもらうことも可能です。

レントゲン撮影

クリニックによって判断が違うので一概に言えませんが、お口の中をチェックしただけでは見えづらい部分はレントゲン撮影することもあります。
これによって痛みが起こる前に虫歯などを発見できるため、治療が短く費用が少なくて済みます。

まとめ

歯の定期検診の重要性や内容などをまとめてみました。
歯が痛くなってから歯医者さんへ行っていたという方は異常がなくても定期的に歯医者さんへ行っていただき、虫歯や歯周病を早期発見、早期治療できるよう努めてくださいね!

 

 

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