矯正治療後の日常生活の注意点とは

はじめに

矯正治療は数年にわたる治療で長期間治療を続ける必要があるため、理想の歯並びを手に入れたとしても治療が全て終わるということにはなりません。

矯正治療が終ったら、歯根が柔らかく動きやすくなっていると言われておりこの原因についてははっきりと分かっていませんが、あごに歯が生えるスペースが足りない場合など、元の位置に歯が戻ろうとするため強く力がかかるからだと考えられます。

また、歯周病や虫歯にもなりやすいです。

それらを防止するための、矯正治療後の日常生活の注意点はどういったものなのでしょうか?

矯正治療とは

矯正治療とは力を少しずつ歯にかけて歯並びや噛み合わせを改善し、審美性の高い健康的な口元を作る治療のことです。

矯正治療を行うことで歯並びや噛み合わせがきれいになると、口元だけでなく顔のイメージがかなりよくなります。また、審美性や美容面だけでなく歯の寿命を延ばすことができます。

歯並びが悪いと、お口だけでなく全身にもさまざまな弊害が起きるのを矯正治療によって防止できます。

歯並びが悪いと

歯並びが悪いままだと、噛み合わせにずれが生まれ骨格にトラブルが起きたり、歯周病や虫歯になったり、発音しづらくなったり、歯ぎしりやいびきがひどくなったり、外見的なコンプレックスを抱えてしまったり・・などがあります。

矯正治療のメリット

見た目のコンプレックスが解消できる

歯並びが美しくなると、口元がきれいになり自信を持って笑顔になれます。さらに、横顔も美しくなると言われており、フェイスラインがすっきりしてきます。

噛み合わせが改善される

噛み合わせが悪いままだと食事がしづらくなります。咀嚼が上手にできなければ胃腸に負担がかかってしまい、全身にも悪影響が及ぶと言われています。

また、歯並びが悪いまま放っておくと、あごや発音、顎関節や筋肉までにも悪影響が及び、頭痛や肩こり、姿勢が悪くなったりします。

歯の寿命が延びる

歯並びが悪いと、ブラッシングしづらいため歯周病や虫歯になりやすくなります。

矯正治療によってプラークコントロールしやすくなって、噛み合わせがよくなれば歯に余計な力がかかりづらくなるため、歯を健康に保つことができ寿命を延ばせるメリットがあります。

矯正治療後の注意点

保定装置を装着する

矯正治療が終ったとしても、歯はまだ動き続けています。

美しい歯並びになったように見えても歯は動いており、歯根へ力が加わることでその方向の組織が再生するため歯が動く・・というメカニズムです。それを利用することで矯正治療を行っているのです。

矯正治療が終ったとしても骨が固まっていないので、簡単に歯は元の位置に戻ろうとしており、噛み合わせなどが改善しきれていないこともあります。ですので、噛んだ時に歯に力が加わって歯が後戻りするということもあります。さらに、歯ぎしりなどをする方は後戻りする可能性が高いと言われています。

矯正治療後に後戻りを防止するためにも、保定装置を取り付けなければならないのです。

矯正装置を付けていればいいのでは?と思われるかもしれませんが、矯正治療用のワイヤーを使うと、ワイヤーの周りを磨く際に磨きづらかったり、いい加減になったりします。ですので、矯正治療後に歯周病や虫歯になりやすくなるため矯正装置は早く外してしまって、着脱できる後戻りを防ぐリテーナーと言われる装置を付けるよう指導されます。

また、舌にくせがある方は注意が必要で、歯を舌で触るくせがあると、前歯にすき間ができることがあるため、特別なトレーニングを行うことが必要になるでしょう。

リテーナーとは

では、この歯の後戻りを防ぐためのリテーナーとはどのようなものかご存じでしょうか?リテーナーとは保定装置とも言われており、矯正治療が終った後に歯が元に戻ろうとするのを防止するための器具です。

一般的なリテーナーはマウスピースのような素材や形状をしています。また、着脱できるため矯正中は食事の際に不便だと思っていた方も、外して食べられるようになるため食べやすくなります。

もちろん、歯磨きの際にも取り外しできるので磨きやすくなります。

ただ、歯磨きの際にはこのリテーナーもききれいにすることが大切で、内側は唾液の流れが悪いので細菌の温床になっているため、汚れが付いてしまう前に清潔にしておきましょう。

リテーナーにはワイヤー製のものもあって、前歯だけを治療する場合には歯の内側に固定して使用します。このタイプは着脱が不可能なのでクリニックで付けたり外したりすることになります。

リテーナーを装着する際、入りにくい、きつい・・などと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、歯が後戻りするのを防止するには必要な装置です。

装着を怠るとリテーナーが入らなくなることもあるため、きちんと装着するようにしましょう。なお、矯正治療が終って後戻りする最大の原因はこのリテーナーを装着していないことによるものだそうです。

矯正治療が終ったからと放置せず、歯科医師の指示に従いリテーナーを付けるようにしましょう。

定期的なメンテナンス

矯正治療後に保定期間が終ったら、お口のケアを始める必要があります。

きれいになった歯を歯周病や虫歯から守っていただき美しい状態でいつまでも保つためには日ごろのセルフケアに加えて、クリニックでプロにケアを行ってもらうことが大切です。

ご自分では気づかないお口の変化などでも、定期的にプロによってチェックを受けることで早期発見が可能になります。

また、歯のクリーニングを受けることで日ごろのセルフケアだけでは落とせないプラークや歯石も除去することができます。これにより、歯周病や虫歯などのお口の中のトラブルを防止効果が高まるわけですね。

メンテナンスを継続しお口の中を常に健康に保つようにしましょう。

まとめ

矯正治療が終ったからと言っても、それで全て治療が終ったというわけではありません。リテーナーをしっかりと装着しアフターケアを行うことで歯の後戻りを防ぎ、歯周病や虫歯を防ぐことができます。

矯正治療することになったら、ここでご紹介した治療後の注意点をしっかりと実践するようにしてくださいね!

 

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