インプラント治療における仮歯の重要な役割

はじめに

インプラント治療では人工歯根を埋め込んだ後仮歯を装着しますが、どういったものなのかご存じですか?
インプラント治療についてある程度知っていても、仮歯の役割までご存じの方はそう多くはないでしょう。
ここではインプラント治療における仮歯の役割などについて詳しくご紹介していきます。
インプラント治療を検討している方もそうでない方も、ぜひ最後までお読み下さいね!

インプラントとは

インプラント治療は、なくなってしまった歯の代わりに人工歯根を埋め込んで、そこに人工歯を装着していく治療のことです。インプラント治療を行うことでご自分の歯と同様の審美性を回復できると言われています。また、他の歯を傷つける心配がなくあごの骨に力を加えるのであごの骨が痩せてしまう心配もありません。
治療後は日ごろのご自分でのメンテナンスだけでなく、定期的にクリニックでメンテナンスを受けることによってインプラントの周りに炎症が起きたり、インプラントが脱落してしまうなどを回避できます。
インプラントは人工歯根、連結させる部分、人工歯の3つからなっており、ご自分の歯のようにしっかりと噛め食べものの食感や味がしっかり分かるのがメリットです。
ただ、インプラント治療を行うには保険が使えないためすべて自費治療となり費用がかさむことをおぼえておきましょう。

 

インプラントの仮歯とは

インプラント体を埋め込んだ後、そのインプラント体と骨とが結合するのにある程度の時間がかかります。
この期間中は仮歯を装着し歯がない状態を作らないようにしなければなりません。
ただ、仮歯はあくまでも仮歯なので耐久性や実用性がないことを理解しておきましょう。また、治療過程に合わせ仮歯を変えるのでお口に常に合った仮歯を装着できるメリットがあります。
なお、仮歯の素材はプラスチックですり減る心配もなく、短い時間で噛み合わせも変わってしまうと言われています。ですので、治療を途中で止めてしまうなど、仮歯のまま放っておくことは非常に危険です。

 

仮歯を装着する時期

実際に、インプラント手術当日に仮歯を装着することはできますが、理想を言えば抜糸後2週間くらいの時期に仮歯を装着するのがベストでしょう。
その理由はインプラント体を埋め込んだところに余計な刺激を与えないようにするためです。
ただ、ほとんどの方はインプラント手術当日に仮歯の装着を希望すると言われており、目立つ前歯を治療した方は特に希望するようです。
ですので、ベストなタイミングはあくまでも理想と考えていいでしょう。
理想のタイミングで仮歯を装着するのでしたら、目立たない奥歯を治療した時に限定されるかもしれません。

 

仮歯の重要性

上でもご紹介した通り、インプラント治療とは骨に人工歯根を埋め込んで人工歯を装着するためのパーツを付け、そこに人工歯を装着するという治療法です。
埋め込まれた人工歯根は骨と結合するのにかなり時間がかかるので、その間は仮歯を使わないといけません。
結合の状態を時間をかけて確認するため、その間歯がないとさまざまな支障が出るからです。
まず、歯がないままだと見た目が悪いですし隙間ができると他の歯が動き出したり、外部からの刺激をもろに受けるでしょう。また、細菌などに感染してしまうリスクも出てきます。
では、具体的に仮歯の役割にはどういったものがあるのか、ここでは仮歯の役割やメリットについてご紹介します。

審美性を高める

インプラント治療は長期間にわたる治療なので、治療している箇所の周囲の歯並びを保たなければなりません。
歯がないまま放っておくと、両隣の歯が倒れてきたり、上下の歯が飛び出てきたりすると言われています。
ですが、仮歯を装着していればそういった歯並びの乱れを防ぐことができます。
さらに、金属製のインプラントが目立つのを防ぐことも仮歯の大切な役割の1つです。

細菌から守る

お口の中には千億~6千億個もの細菌がすんでいると言われており、食べ物を口に入れた時歯には熱や刺激、噛む時の負荷などがかかってしまいますが、そういった細菌から守る役割があります。

隙間を防ぐ

治療過程はスペースが出来てしまいそれを放っておくと、隣の歯や歯ぐきがかぶさりすき間を埋めようとし始めます。
そうなると、インプラントの人工歯を装着するとなった時必要なスペースがなくなってしまうため、それを防止するための役割があります。

機能を守る

これはもっとも基本的なことかもしれませんが、食事をするときに歯がないと大変不便ですし話しづらいです。
開いたところから息が漏れてしまい、はっきりと発音できなくなってしまいます。

お口の中の状態を調べる

仮歯の期間中にお口の中の状態を詳しく調べることができます。
たとえば、お口の中の汚れ具合や唾液の流れ具合・・など。天然の歯の時とは全く違う状態になっているため、自然な状態により近づけられるよう調整することができます。

 

仮歯のまま治療を中断しない

さて、インプラント治療での仮歯は治療の過程に応じて形を修正しやすいようプラスチックで作られていますが、プラスチックの特徴としてすり減りやすく1か月ほど放置していると噛み合わせが変化することがあります。
さらに、そのままでいると噛み合わせが変わってしまったことによりあごの骨に埋め込んだインプラントに力がかかり過ぎてしまい、脱落してしまうリスクがあります。
また、プラスチックは色が付きやすいため変色したり、においを吸収しやすいことから口臭が起きたりします。
治療をなんらかのやむを得ない事情で中断する場合はインプラントを保護するためにもクリニックで相談することをおすすめします。

 

まとめ

インプラント治療の仮歯は食事の際など気を使うものではありますが、治療を安全に進めるためには必要不可欠です。
仮歯があることで安全に治療を行うことができ、被せものを機能性の高いものに仕上げられることができます。
インプラントの仮歯は不便を感じることもありますが、メリットも非常に多いため、そのメリットを十分活かし、快適なインプラント治療を行うようにしましょう!

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