はじめに
みなさんはインプラントという言葉はご存じでも、安全にインプラント治療を行うための処置についてはあまりご存じないはずです。
インプラントは第二の永久歯とも言われており、歯をなくした後も天然の歯と同じように見た目や機能性を回復できる優れた治療法です。
ただ、インプラント治療を安全に行うために必要な処置があります。
インプラントは外科的手術が必要で、あごの骨に人工歯根を埋め込むのですが、骨や神経の状態を専用の機器を使って確認し、安全に治療を行わなければなりません。
ここではインプラント治療を安全に行うために必要な処置についてまとめてみました。
今後インプラント治療を検討している方はぜひご参考になさってみて下さい。
インプラントの安全性
インプラント治療はあごの骨を削って人工歯根を埋め込む手術が必要な治療です。
この人工歯根は整形外科で骨折などの治療で使われるチタン合金か純チタンでできており、金属アレルギーが起きにくく人体との親和性も高い素材です。
さらに、インプラント治療を行う際、一般的に局所麻酔が使用されるので痛みを感じることはほとんどなく、さらに笑気麻酔や静脈内鎮製法などを使うことにより、手術中不快な症状もなく行うことができます。
また、インプラント治療を安全に行うためには清潔・不清潔領域を管理、滅菌することも重要です。
ですが、手術なので100パーセント安全とは言い難く、歯科用CTスキャンなどを含めた事前の検査が十分でない、患者さんの健康状態をきちんと把握していない・・などがあると、安全に治療することができません。
そうなると最悪再手術となるので、前もってきちんと検査を受けられるクリニックを選びましょう。
安全なインプラント治療を行うための処置
インプラント治療を行う前の検査としてはレントゲンなどがあります。
ただ、レントゲン画像は全顎的な検査を行うためには非常に効果がありますが、インプラント治療の検査としては完全だとは言い切れません。
その理由はインプラント手術は血管や神経管の位置や骨の質、幅などを正確に把握するための診査や診断が必要だからで、インプラント手術の前にはさまざまな最新機器を使った検査が必要です。
つまり、より安全で安心なインプラント治療を行うには精密診断をするための歯科用CTを使ったり、インプラントシステムを使った治療が必要です。
・問診
また、問診は検査項目を決定するための判断材料になったり、最適な診断や治療法を提案するためにも必要です。
ご自分の状態を問診でしっかりと伝えるようにしましょう。
まず、既往歴や現在の病歴を書くことは重要です。
インプラント外科手術では出血や痛みを抑えるため局所麻酔を使用したり、手術後の感染防止や痛みを抑えるために薬を服用します。f
もし、重篤な疾患があるのに外科手術をしてしまうと全身状態が悪化したり、埋め込んだインプラントが骨と結合しない・・などのトラブルが起こることがあります。
当てはまるものがあったら詳細に書くようにし、場合によってはかかりつけの内科医などと連携する必要もあります。
また、アレルギーの有無も伝えておきましょう。
たとえば、以前使用した麻酔や食物、薬や金属などにより体調に変化があれば伝えておきます。
気分が悪くなった、お腹をこわした、湿疹が出た・・などですね。
原因ははっきりしない場合にはアレルギー検査を行うこともあります。
飲んでいる薬があればその薬の説明書か、お薬そのものをクリニックに持って行きましょう。
外科的手術の際に飲むお薬と重なっていないか、飲み合わせはどうか・・などチェックするからです。
特に骨粗しょう症で薬や注射を行ったことがある方は必ず伝えましょう。
もし、薬の調整をせずインプラントの外科的手術をすると最悪あごの骨が壊死してしまうからです。
・お口の中の検査
虫歯や歯周病がある場合、それによって細菌感染してしまいインプラントと骨が結合しないことがあるため、お口の中をしっかりと検査する必要があります。
外科的手術をする前に治療するべきことや並、行して治療できるかどうかを判断していきます。
また、顎関節や粘膜、噛み合わせの状態をチェックし、もし異常がある場合は適切な治療を行います。
噛み合わせや、顎関節、粘膜などの状態を確認し、異常が見つかれば適切な治療を行います。
・唾液検査
次に、唾液検査も安全にインプラント治療を受けるために必要な処置です。
唾液検査では主に唾液の質や量、虫歯菌や歯周病菌の有無を検査し、歯周病や虫歯のリスクを調べます。
インプラント治療をすると虫歯になることはないですが、歯周病になることはあります。
つまり、唾液検査を行うことで効果的な治療と予防が行えるということになります。
・パノラマ・デンタル撮影
パノラマとは鼻から下あごにかけておおまかな平面全体像を検査でき、デンタルは2~3本の歯やその周りの組織の平面画像を細かく調べることができます。
歯科医師によってはどちらかのみ行う場合と両方行う場合があります。
・CT撮影
インプラントを安全に治療するためにはCT撮影を行うことも大変重要です。
これにより、あごの骨の高さや厚み、神経や血管の位置などのお口の中全体の状態を立体的な画像によりさまざまな角度から検査できます。
なので、貫通や損傷などのリスクを軽減できるため、ほとんどの場合でこの検査を行うようですね。
さらに、クリニックによってはこのデータをパソコンに移し、埋め込むインプラントの長さや位置、太さ、角度などをシュミレーションすることもあります。
このようなことができると、治療する前に詳細な診査や診断が可能になるので、インプラントをより安全に治療することができるでしょう。
まとめ
インプラントとできる限り長く付き合うには自分に合った信頼できるクリニックを見つけていただき、しっかりと治療について納得した上で最適な施術を受けることが大切です。
また、日ごろのセルフケアも重要ですので、セルフケアも怠らずに行うようにしましょう!
そうすれば、インプラントをより長く持たせることができ、いつまでも快適に食事したり会話したりできるはずですよ!